イタリアでグローバル化について考える(1) 〜人生、買い物、食べ物〜

色とりどりの野菜が並ぶイタリアの市場

色とりどりの野菜が並ぶイタリアの市場

この秋、2か月半をイタリアで過ごす機会を得て、いろいろなことを考えた。「同じヨーロッパでもドイツとはここが違うな」と感じる点、「イタリアにもグローバル化の波が押し寄せているなあ」と感じる点、いろいろあった。2か月半とは、1か国を旅行するにしては長いが、滞在としては短い。私はイタリア語も出来ず、イタリア人の知人がいるわけでもないので、ごく上滑りな感想になっている可能性もあるが、自分がイタリアで見て聞いて感じたことを、いくつか書いてみたい。

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感情のジェットコースター - その2:「ジャパン・シンドローム」

「ジャパン・シンドローム~ベルリン編」チラシ

「ジャパン・シンドローム~ベルリン編」チラシ

前回は帰国中に感じた怒りについて書いたが、久しぶりの帰国で楽しいこともたくさんあった。旧知の人たち、かつての同僚たちに加えて、ベルリンの友人たちと京都で会えたことは大きな喜びだった。長い時間をかけて話し合った知人や友人たちは、口をそろえて原発の危機的状況について、彼らの考えを話してくれた。これだけ現状に危機感を持っている人たちがいることを心強く感じた。さらにもう一つ、ハッピーな気持ちにさせてくれることがあった。 続きを読む»

騒がれる電力値上げは、アイスクリーム1本分

ドイツの消費者が、再生可能電力促進のために電気料金に上乗せして支払う賦課金が、2014年1月以降、今年の5.28ユーロセント(約7円)から更に上がって 6.24セント(約8.3円)になる。ドイツの4大送電網運営企業がこの10月に発表した。これを受けて各地方の配電会社は来年1月からの電気料金の値上げを発表している。値上げ幅は平均3.35%で、平均所帯で年間30ユーロ程度になるという。月割りにすれば、何とアイスクリーム1本分でしかない。

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福島原発事故を無視する英国 - 再び原子力エネルギーを推進

セラフィールド敷地内に再び原子力発電所が設立される予定。特に隣の村シースケールでは反対者はいない。

セラフィールド敷地内に再び原子力発電所が設立される予定だが、隣の村シースケールには反対者はいない。

原発の安全を確保することはできるでしょうか? 万が一のときのためにドイツでは原発一基に対して20億ユーロ(約2660億円)、隣国のフランスでは9000万ユーロ(約120億円)の保険が掛けられています。欧州エネルギー委員エッティンガー氏は欧州の原子炉の損害賠償責任保険金額を各基10億ユーロに統一することを提案しようと考えています。福島原発事故でこれまでかかった損害は専門家の推測によると1870億ユーロ(約25兆円)に達すると発表されました。となると提案の10億ユーロという保険金額は、ばかばかしいほど低いと言えます。

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日本のマスメディアの無意味な報道とかすかな光

先頃、1年半ぶりに日本に一時帰国した。今回の帰国の主な目的は、10月初めから2週間、ドイツ在住の韓国人女性たちと一緒に韓国と日本をグループ旅行することだったので、東京の我が家にはその前後10日ほどしかいられなかった。その短い滞在の間に強く感じたのは、日本のマスメディアの報道の緊張感のなさだった。 続きを読む»