ベルギーの原発もテロの目標か?

まる / 2016年4月3日

3月22日に起きたブリュッセル国際空港と地下鉄のテロ事件に関して、副次的に伝えられた「ベルギー国内の二つの原発で、作業員を退避させ、必要最小限の人員だけで運転を行っている」というニュースに、はっとしました。

ベルギーの原発といえば、老朽化していて最近も立て続けの事故を起こしながら、ベルギー政府が稼働を延長してきました。特に南部にあるティアンジュ原発はドイツ西部の国境の町アーヘンから60kmほどしか離れていないため、ドイツでも停止を求める声が高まっていました。

今回ベルギー治安当局が、このティアンジュ原発と北部に位置するドール原発で働く作業員を退避させた理由は、この二つの施設がテロの標的となる可能性があったから、あるいは作業員になりすましたテロリストが、原発の内部にいる可能性があったからのようです。昨年11月に起きたパリのテロ事件に関する一連の捜査の中で、ベルギーとフランスの当局が、事件の準備に関わったと見られるモハメド・バッカーリ容疑者の妻の自宅を捜査しました。ドイツのシュピーゲル誌が伝えるところによると、その際に発見されたビデオには、核エネルギー研究所(SCK-CEN)の所長が自宅に出入りする様子が映っていました。

この研究所では世界需要の20〜25%に当たる放射性核種を作っているそうです。主にガン治療に使われていますが、悪用すればダーティー・ボンブ(放射性物質をまき散らす爆弾)にもなり得ます。ベルギーの原子力監視委員会の広報担当官は「家族を誘拐して脅迫し、この物質を入手しようとしていたかもしれない」という発言をしています。

これまでにもベルギーの原発に関しては、こわい話がありました。

2014年10月、ドール原発の厳戒エリア内で、2012年までの3年間、ジハディスト(イスラム過激派)が働いていたことが発覚しました。

2014年夏にはドール原発で、蒸気タービン用の石油6万5000リットルが流出してそれが過熱し、自動的に停止しました。タンクは手動でしか開けられないため、ベルギーの原子力監視委員会と原発を運営するエレクトラーベル社はサボタージュ(妨害工作)ではないかと疑い、地元検察が捜査を始めましたが、解明には至りませんでした。同年12月には、同施設の上をドローンが飛んでいたことも分かっています。

ベルギーだけでなく、フェッセンハイムなどフランスの原発の上空でもドローンが飛んでいたことがあり、2015年11月にグリーンピース・インターナショナルが、「事件が解明されるまで原発を停止するよう」要求。原発がテロの標的となる怖れを訴えかけていました。

欧州の原発でも、作業員たちの多くは下請け会社に雇われており、身元の確認がずさんになっていた可能性も指摘されます。だから今回の「退避」になったのだと思います。そのことを考えるとぞ〜っとします。

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