明けましておめでとうございます

編集室 / 2022年1月1日

明けましておめでとうございます。コロナ禍のなかで2度目の新しい年を迎えることになりました。新型変種株オミクロンが猛威を振るうことが心配されていますが、まずはこのパンデミックが1日も早く収束するよう、そして皆様が健康にこの一年を過ごされるようお祈りいたします。

2022年は少なくともドイツにとっては、希望に満ちた年になる可能性があります。進歩と変革を目指す、若い政権が去年12月8日に誕生しました。ドイツ社会民主党と緑の党、それに自由民主党の3党による連立政権は、気候変動防止のため、産業革命以来の経済や社会の変革を目指すという野心的な目標を立て、その目標に向かって全力をつくす意欲を見せています。そして新政権樹立にあたっては、人類の100年来の目標、すなわちパリテート(男女同数)の内閣を実現すると約束し、その通り実現させました。その新政権の首相は、ハンブルク市長時代に野心的な目標をかかげ、そのほとんどを実現させた実績をもつ、地味ながら、誠実で堅実なオーラフ・ショルツ氏です。新政権の課題は内外ともに山のようにあります。そんな中で、少なくともショルツ氏が常々唱えてきたように「お互いへの敬意」を重視する政権の意志が人々に理解されれば、憎しみや非難中傷に満ちた社会が少しでも良い方向に変わるのではないかという希望を抱くことができます。

また、ドイツにとっては、2022年は段階的な脱原発が実現する年です。2011年3月のフクシマの原発事故をきっかけに当時のアンゲラ・メルケル連邦首相が世論に押される形で、段階的な脱原発を決定しました。その計画に従って老朽原発から次々に操業を停止し、昨年暮れには3基の原発が稼働を停止しました。残るのはあと3基、その3基が今年末までに稼働停止することになっています。一方でドイツはこの10年間再生可能エネルギーを増加させてきました。緑の党が参加する新政権は、今後さらに再生可能エネルギーを促進させる意向です。脱原発以後のエネルギー供給問題も新政権の重要課題の一つです。新政権の目標通りに事が進むかどうか、ドイツに暮らすものとして声援を送り、自分たちもそのために出来ることは協力しようと決意する新年です。

永井 潤子

 

2021年もまた、新型コロナウイルスに振り回されてしまった1年間でした。優秀なワクチンが開発され、ドイツでは大勢が接種を受けましたが、その反面、接種には反対というわがままな人たちや、誤った噂に惑わされて、接種を拒む人たちもいました。また、ワクチンは世界規模ではまだ十分に各地に行き渡っていません。しかしその間、ウイルスは人から人に感染し、その際に変異株を生み出し、新しい問題を我々に提示しています。新しい年には、世界が一体となり、みんなが助け合い、協力し合ってこのパンデミックを抑えることができますように。

2021年はまた、気候変動の影響が目に見えて激しくなった1年間でした。地球の温暖化を最小限に抑えるために、しなくてならないことは山ほどあります。ドイツではこの12月に、緑の党なども参加する新しい連立政権が誕生したばかりです。新年には、この連立政権が唱えているように、気候保護の分野でさらなる前進のあることを期待しています。

2022年末には、現在まだ稼働しているドイツの全ての原発が停止します。原発事故の被害などが無くなる喜ばしいことですが、2022年の政府の課題は、脱原発後のドイツ国内の安定した電力供給の準備をすることです。そのために、そして2045年までにドイツがカーボン・ニュートラルを達成するために、再生可能電力の発電能力が十分に伸びることを願っています。

ツェルディック 野尻 紘子

 

残念ながら、2年続けて新年をパンデミックの中で迎える事態となりました。それ故、なかなか明るい気持ちにはなれないのですが、それだからこそ、夢や希望を大切にしたいと思います。

ドイツでは昨年の連邦議会選挙により政権が交代しました。この選挙では有権者の76.6%が票を投じたのですが、有権者は自分の一票で政治を変えられることを知っているのです。国民が国や政治のあり方を決めるという民主主義が、教科書の中の言葉ではなく、実際に生きていることを羨ましく感じました。

さて、その選挙の結果、年末に誕生した社会民主党、緑の党、自由民主党による連立政権は、「一層の進歩を目指そう」という標語を掲げた、女性や若い人が活躍できる躍動感ある政権になりました。ドイツの政治や社会がどんな風に進歩していくのか、楽しみです。

池永 記代美

 

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