世界の化石燃料需要、2030年がピーク
ウクライナ危機がきっかけで、ロシアからの天然ガスに頼れなくなったドイツでは、期間限定とはいえ、発電のために褐炭や石炭を利用する割合が高くなった。このように、化石燃料の復活を思わせる事象が一時的に起きていても、緑のエネルギーへの転換は、世界中で確実に進んでいくという予測が発表された。
ウクライナ危機がきっかけで、ロシアからの天然ガスに頼れなくなったドイツでは、期間限定とはいえ、発電のために褐炭や石炭を利用する割合が高くなった。このように、化石燃料の復活を思わせる事象が一時的に起きていても、緑のエネルギーへの転換は、世界中で確実に進んでいくという予測が発表された。
波瀾に満ちた人生だったが、穏やかな最期を迎えたー。ドイツの原発の歴史を人間の一生に例えるとすれば、このように表現できるかもしれない。4月15日、派手なお祝いや格式ばった別れの式典もなく、ドイツで稼働していた最後の3基の原子炉が送電網から切り離された。そして、ドイツにおける61年に渡る商業用原子力発電の歴史が幕を閉じた。
4月15日、ドイツでは現在稼働中の最後の3基の原子炉が停止する。バイエルン州北部、マイン川沿いに建設されたカール原発が1962年2月1日、ドイツで初めて商業用発電を開始してから約60年。ドイツではついに、原子力発電の時代が終わることになる。その記念すべき日を控えた3月30日、ベルリンでレムケ環境相らの記者会見が行われた。
東日本大震災による福島第一原発の事故が起きて12年目にあたる 3月11日、ベルリンで 今年も「かざぐるまデモ」が行われた。フクシマ以降、このデモは毎年行われ、脱原発や核反対を訴えてきたが、今年のデモでは喜びと怒りが交錯した。ドイツでは4月15日に最後の3つの原子炉が停止するのに対して、日本政府は原発への回帰を決定したからだ。
世界中で起きている異常気象や自然災害の原因となっている気候変動を抑えるために、二酸化炭素の排出量を減らすことが、世界中で急務となっている。しかし、2021年に続いて昨年2022年も、ドイツはその排出削減目標を達成することができなかったとする報告書が発表された。
欧州連合は、 乗用車と小型商用車の新車の二酸化炭素排出量を2035年までに ゼロに減らし、いわゆるゼロ•エミッションの車しか販売できなくすることを決めた。これにより2035年以降、 乗用車と小型商用車に関しては、ハイブリッド車も含めて、ガソリンやディーゼルを使って走る新車の販売が実質的に禁止されることになる。