第64回ベルリン国際映画祭 日本映画まとめ
本日2月6日(木)から16日(日)まで開かれるベルリン国際映画祭ファンの方々のために、日本の出品映画26作品をまとめた。そのうち東日本大震災をテーマにした作品は3つある。
今年のベルリン映画祭では、回顧展部門やフォーラム特別部門で日本の古い名画が計16本上映される。一方で、これから日本映画界の発展に貢献していくであろう若手日本人映画監督の作品もいくつかあり、バラエティに富んでいる。1920年代のモノクロ映画から、最新のアニメーション作品まで非常に幅広く日本の映画を楽しむことのできるお得な映画祭だといえる。もちろん、コンペティション部門にノミネートされた山田洋次監督の『小さいおうち』をはじめ、各部門で日本作品が賞を獲得できるのかも見ものだ。
みどりの1kwhが注目する東日本大震災をテーマにした作品も、3作品上映される。東日本大震災以降の福島を舞台に故郷を失った家族の再生の物語を描き出す『家路』や、震災後の子供たちを描く『人の望みの喜びよ』、そして戦場と被災地を鮮明に対比して見せた『SOLITON』は、震災3年を目前にした現在、ドイツの観客にどのように映るのだろうか。
他にも、海外で活躍する日本人の作品がいくつか上映予定だ。高校卒業後、単身渡米し現在はピクサーでアート・ディレクターとして活躍する堤大介氏が共同監督を務める『The Dam Keeper』、そして国際派女優として知られる菊地凛子が主演を務める『Kumiko, the Treasure Hunter』がアメリカ映画として出品されている。
ちなみに、ベルリン国際映画祭の期間中である明日2月7日(金)から10日(月)まで、「アジア映画祭」が別途開催され、生田斗真主演の『源氏物語 千年の謎』をはじめとした日本映画が3作品上映される。ドイツでこれほどたくさんの日本映画を一気に見ることのできるチャンスも珍しいと思う。ベルリンにお住まいの皆さま、お近くの映画館に足を運んでみてはいかがだろうか。
以下、今年のベルリン国際映画祭に参加する日本作品をリストアップする。
1. 『小さいおうち』(2014)
黒木華さん最優秀女優賞(銀熊賞)受賞
部門: コンペティション部門
監督: 山田洋次(Yoji Yamada)
2月14日(土)、2月15日(土)
2. 『WONDER』(2013)
部門: 短編コンペ部門
監督: 水江未来(Mirai Mizue)
※日本とフランス名義の作品。
2月8日(土)、10日(月)、11日(火)、13日(木)、16日(日)
3. 『かまくら』(2013)
部門: 短編コンペ部門
監督: 水尻自子(Yoriko Mizushiri)
2月8日(土)、12日(水)、13日(木)、15日(土)、16日(日)
4. 『家路』 (2014)
部門: パノラマ部門
監督: 久保田直(Nao Kubota)
2月11日(火)、12日(水)、13日(木)、15日(土)
5. 『Forma』(2013)
国際映画批評家連盟賞受賞
部門: フォーラム部門
監督: 坂本あゆみ(Ayumi Sakamoto)
2月12日(水)、14日(金)、15日(土)、16日(日)
6. 『土砂降り』(1957)
部門:フォーラム部門 【特別上映】
監督:中村登(Noboru Nakamura)
2月8日(土)、15日(土)
7. 『我が家は楽し』(1951)
部門:フォーラム部門 【特別上映】
監督:中村登(Noboru Nakamura)
2月7日(金)、14日(金)
8. 『夜の片鱗』(1964)
部門:フォーラム部門 【特別上映】
監督:中村登(Noboru Nakamura)
2月9日(日)、16日(日)
9. 『人の望みの喜びよ』(2013)
「ジェネレーションKプラス」部門で準優秀作品として特別表彰
部門: ジェネレーション(Kプラス)部門
監督: 杉田真一(Masakazu Sugita)
2月9日(日)、11日(火)、12日(水)、16日(日)
10. 『SOLITON』 (2013)
部門: ジェネレーション(14プラス)部門|短編映画
監督: 平林勇(Isamu Hirabayashi)
2月10日(月)、12日(水)、13日(木)、14日(金)、16日(日)
11. 『リゾーム』 (2013)
部門: ジェネレーション(14プラス)部門|短編映画
監督: 大須賀政裕 (Masahiro Ohsuka)
2月10日(月)、12日(水)、13日(木)、15日(土)
12. 『五人の斥候兵』(1938)
部門:回顧展
監督:田坂具隆(Tomotaka Tasaka)
2月11日(火)、12日(水)
13. 『ハワイ・マレー沖海戦』(1942)
部門:回顧展
監督:山本嘉次郎(Kajiro Yamamoto)
2月9日(日)、12日(水)
14. 『十字路』(1928)
部門:回顧展
監督:衣笠 貞之助(Teinosuke Kinugasa)
2月10日(月)、14日(金)
15. 『情の光』(1926)
部門:回顧展
監督:小谷ヘンリー(Henry Kotani)
2月12日(水)、13日(木)
16. 『人情紙風船』(1937)
部門:回顧展
監督:山中貞雄(Sadao Yamanaka)
2月10日(月)、15日(土)
17. 『おしどり歌合戦』(1939)
部門:回顧展
監督:マキノ雅広(Masahiro Makino)
2月9日(日)、14日(金)
18. 『羅生門』(1950)
部門:回顧展
監督:黒沢明(Akira Kurosawa)
2月8日(土)、12日(水)
19. 『その夜の妻』(1930)
部門:回顧展
監督:小津安二郎(Yasujiro Ozu)
2月8日(土)、12日(水)
20. 『東京の英雄』(1935)
部門:回顧展
監督:清水宏(Hiroshi Shimizu)
2月14日(金)、16日(日)
21. 『鶴八鶴次郎』(1938)
部門:回顧展
監督:成瀬巳喜男(Mikio Naruse)
2月7日(金)、15日(土)
22. 『雨月物語』(1953)
部門:回顧展
監督:溝口健二(Kenji Mizoguchi)
2月7日(金)、9日(日)
23. 『雪之丞変化』(1935-36/1952)
部門:回顧展
監督:衣笠貞之助(Teinosuke Kinugasa)
2月8日(土)、15日(土)
24. 『秋日和』(1960)
部門:回顧展
監督:小津安二郎(Yasujiro Ozu)
2月10日(月)、15日(土)
25. 『武士の献立』(2013)
部門: 料理シネマ部門
監督: 朝原雄三 (Yuzo Asahara)
2月12日(水)
26. 『TABA”El Juego En La Mesa”』(2013)
部門:料理シネマ部門
監督:Pep Gatell & Eloi Colom
※スペインと日本名義の作品。日本人の役者が多数出演。
2月10日(月)
海外作品として上映の日本関連作品
1. 『Kumiko, the Treasure Hunter』(2014)
部門:フォーラム部門
監督:David Zellner
※菊地凛子主演のアメリカの作品。
2月8日(土)、9日(日)、10日(月)、11日(火)
2. 『The Dam Keeper』(2013)
部門: ジェネレーション(Kプラス)部門|短編映画
監督: Robert Kondo&堤大介 (Robert Kondo & Dice Tsutsumi)
※アメリカの作品として上映の日本人監督作品。
2月11日(火)、12日(水)、14日(金)、15日(土)