2035 年の二酸化炭素排出量、世界規模で25%増、欧州では25%減!

ツェルディック 野尻紘子 / 2015年3月29日

石油メジャーのBPが20年後の世界のエネルギー予測を発表した。それによると 、2035年の世界のエネルギー消費量は現在より約37%増える。年当たりの成長率が1.4%増の計算だ。これに伴い、2035年の世界規模の二酸化炭素排出量は、現在より25%増えることになる。環境保護を目指す人たちにとっては、最悪の二ユースと言える。

一方、欧州連合(EU)では、これまでの努力が実って、二酸化炭素の排出量が2035年までに25%減る。再生可能エネルギーは最も成長率の高いエネルギー源で、2013〜2035年の間に136%増加する。天然ガスがこれに続き、成長率は15%増になる。他方、石炭の消費量は現在より54%、石油も23%減少する。化石燃料は2035年になっても最も重要なエネルギー源(66%)ではあるが、1967年以後初めて、どれか一つのエネルギー源だけが特に大きな比重を占める状態はなくなる。石油と天然ガスはそれぞれエネルギー消費の29%を占め、再生可能エネルギーは 18%となって石炭消費を抜く。この18%は世界のどの地域の再生可能エネルギー消費量より高い。

BPは、20年後には世界規模のエネルギーの流れも変化すると予測している。米国と欧州ではエネルギー効率の向上が進み、消費量が減少するのに対し、アジアでの需要は増加するからだ。また、米国の石油と天然ガスの自給率はこれからも増える傾向にあるという。

なおBPによると、2035年の欧州のエネルギー消費量は2013年比で、電力を除き全ての分野で減る。減少が大きいのは交通部門で14%減、工業部門では9%減となる。他方、発電量は7%増加するだろうとされている。

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