新年おめでとうございます

編集室 / 2019年1月2日

Photo by Sachiko Aoki

 

みなさま、新年おめでとうございます! 2019年の世界が、過ぎ去った年より平和になりますように、そして皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。

ベルリンは、今年もブランデンブルク門前の大晦日の大規模なパーティーと盛大な花火で、新しい年を迎えました。比較的暖かかったものの小雨が降るなか、この大晦日のイベントには、ドイツだけではなく、世界各国から100万人近くの人々が集まって、ともに新しい年の到来を祝いました。

ドイツにとって過ぎ去った年は、政治的に困難な年でした。第4次メルケル政権が成立するまでに半年近くもかかり、その結果成立した保守のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)の大連立政権も、国民の十分な支持を得られず、去年秋に行われたバイエルン州やヘッセン州議会選挙では、国民政党であるはずの与党が得票率を大幅に減らし、右翼ポピュリズム政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の台頭をストップすることができませんでした。

その責任をとったメルケル首相は、18年間務めたCDUの党首を辞任すると発表、 前ザールラント州首相で党幹事長だったアネグレート・クランプ=カレンバウアー(略称AKK)氏が、12月に開かれた党大会での代議員の投票で新党首に選ばれました。ヨーロッパの大国、ドイツの最大与党のCDUが、メルケル党首の後継者に再び女性を選んだことが、外国からも注目されています。メルケル首相が自ら選んで「メルケル時代の終わり」への道を開いたところで、ドイツは新しい年を迎えたわけです。

この変化が2019年のドイツ国内の政情安定にどのような影響を及ぼすか、AKK氏の手腕が問われるところですが、その結果は5月のヨーロッパ議会選挙、秋にザクセン州など東部三州で行われる州議会選挙に示されるでしょう。少なくともCDU内の変化で新たな状況が生まれ、それとともに多少の希望や期待も生まれたのは確かです。

2018年の夏はドイツの私たちも猛暑と干ばつを経験し、気候温暖化の影響が身近に迫って来ているのを痛感させられました。そのため、私たち一人一人が環境を守るために何をしなければならないか、快適な生活の中で何を諦めなければならないかなどと考えるきっかけを与えられた年でもありました。

新しい年を迎え、私たちは少なくともドイツの政治的安定が維持され、それが世界情勢の安定に貢献することを心から願っています。新たな年もこうしたドイツやヨーロッパの政治的な動き、気候温暖化対策、エネルギー転換の実情、2019年には原発1基が稼働を停止する予定のドイツの脱原発の進展状況などについてお伝えしていくつもりです。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

編集室一同

 

 

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