メルケル首相の新年の挨拶

永井 潤子 / 2013年1月13日

迎春! 2013年の世界の平和と日本のエネルギー転換の進展をお祈りいたします。
緑の魔女一同

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ドイツでは毎年クリスマスには連邦大統領が、大晦日には連邦首相が、テレビとラジオを通じて国民に挨拶するのが習わしになっている。

昨年12月24日、初めてクリスマスの挨拶をしたガウク大統領は、社会で貧富の差が広がっていることに憂慮の念をあらわし、国民に対し連帯と社会参加、国外からドイツにやってきた住民への寛容さを求めた。旧東ドイツ・ロストックの牧師だったガウク大統領はまた、クリスマスにあたって平和保持の大切さを強調した(動画は下記参照)。キリスト教国のドイツではクリスマスは、家族とともに静かに過ごす1年で最も重要な祝日で、自分の生き方や社会のあり方に思いをめぐらす内省的な時である。

これに対してお正月は大晦日に親しい人たちが集まってにぎやかに新年の到来を待ち、その瞬間に花火をあげたり、シャンペンで乾杯したりして、楽しく過ごす。明け方までダンスをする人たちもいて元日はどちらかというと寝正月。それでお正月は終わりで、2日にはもう仕事が始まる。連邦首相の新年の挨拶も、元日ではなく、大晦日の夜に放送される。去年大晦日に放送された新年のメッセージのなかでメルケル首相は、2013年もユーロ危機が終焉する兆しは見えず、新しい年の経済状況はこれまで以上に厳しい年になるだろうとの見通しを明らかにした。同首相は「世界はまだ2008年の凄まじい金融危機から十分に学んではいないが、しかし、我々が決定した諸改革の効果があがり始めている」とも述べて、ドイツ国民にたいし、勇気を失わないよう呼びかけた。いくつもの具体例を挙げながら教育と研究の重要性を強調し、繁栄と人間的な社会を維持するために連帯の必要性を訴えたメルケル首相は、2013年の優先課題として、ドイツを世界で最も現代的なエネルギー社会のひとつに変えること、高齢化社会に備えること、国家財政の赤字を減らすことの3つを揚げた。

ドイツの2013年は選挙の年で、1月20日にはニーダーザクセン州議会選挙が、9月には連邦議会選挙やバイエルン州議会選挙、その後ヘッセン州議会選挙と続くが、メルケル首相は選挙のことには全然触れなかったものの、現在、失業率がドイツ統一後最低で、雇用が伸びていることにさりげなく触れていた(こういうところがメルケル風なのだ)。また、ドイツがすすめる社会福祉的市場経済主義の良さを今回も強調することを忘れなかった。そのあと社会の安定と世界の平和維持のために今この時にも国の内外で活躍している連邦軍兵士、警察官、救援活動に携わっている市民たちに心からの感謝の意をあらわした。「行動を起こす最初は勇気がいるが、最後には幸福がもたらされる」というギリシャの哲学者の言葉を引用したメルケル首相は「みなさん、これからも困っている弱い立場の人、病気や孤独に悩む人、なぐさめの必要な人たちを、ともに支えて行こうではありませんか。そして未来のドイツをこれからも人間味あふれた豊かな社会にするために、みんなで力を合わせて行きましょう。2013年を我々の連帯と我々の強さを示す年、新しいアイディアを生み出す力で経済の活性化を図っていく年にしようではありませんか」と呼びかけ、「神の祝福を!」という言葉で今年の新年の挨拶を締めくくった。最後の言葉でメルケル首相が旧東ドイツの牧師の娘であることを改めて思い起こした人もいた。

メルケル首相が新年のメッセージのなかで「新しい年はこれまで以上に厳しい年になる」と述べたことが注目されたが、年末に行われたアンケート調査によると、国民の多くは国家財政の赤字、将来の年金の行方、高齢になってからの貧困などを憂慮してはいるが、意外にも2013年の自分自身については楽観的に見ていることが明らかになっている。シュトゥットガルトの市場研究所が12月27日に発表したアンケート調査では、71%もの人が新しい年に自分の経済状況は今より良くなると考えている。しかし、地域によって差があり、デュッセルドルフを州都とするノルトライン・ヴェストファーレン州やフランクフルトを州都とするヘッセン州など西部や南部の州では楽観的に見ている人が79%にものぼっている反面、東部や北部の州では、その比率は60%と少ない。その他長期休暇や旅行プランが実現する可能性についても68%の人が楽観的だという。

 

ガウク大統領のクリスマスの挨拶

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