再生可能電力、総消費量の100%まであと一歩
ドイツでは、再生可能エネルギーによる発電量が一時的に同国の電力総消費量の100%近くに達する日が増えている。お天気が良く強い風が吹き、しかも学校や会社、お店が休みの休日で、工場も大半稼働していないような日だ。
5月15日(日)と16日(月)は聖霊降臨祭の連休だった。例年、その頃は日照時間も長くなっており快晴が続くので、今年はそのどちらかの日に発電量が100%に達するのではないかと予測された。17日の新聞には、「(エネルギーのシンクタンクである)アゴラ・エネルギーヴェンデの発表した値が立証されれば、日曜日の14時ごろに電力消費量の100%が再生可能電力でカバーされたことになる」と連邦議会内の緑の党議員団のコメントが載った。しかし、アゴラはその後、再生可能エネルギーによる発電量は82%にしかならなかったと発表した。理由は、電力の総消費量は、電力総発電量と電力総輸入量の和から電力総輸出量を引いて算出されるが、最終的な総発電量は、発電所が次の日にならないと発表しないからだという。15日と16日は、少々曇りがちで、例年とは異なり、お天気もあまり良くなかった。
聖霊降臨祭の連休より再生可能エネルギーによる発電量が電力総消費量に占める割合の多かったのは5月8日(日)で、88%と過去最高だった。母の日だったこの日は、全国で朝から太陽が燦々と輝き、風も適宜吹いていた。5月5日(木)がキリスト昇天祭で休日だったので、6日(金)は休む学校や会社も多く、木曜日から日曜日までが一部連休のようになっていた。工場も生産を抑えていたのだろう。
今までに、再生可能エネルギーによる発電量が電力消費量に占める割合が最も多かったのはやはり日曜日だった昨年の8月23日で84%だった。再生可能エネルギーによる発電量が確実に増えていることが分かる。ただし、再生可能電力の急テンポな増加には問題も伴う。そのことは次回お伝えする。
なお、ドイツにおける電力総消費量は、平日の平均が52〜75GW、休日の平均は40〜60GWだという。電力の発電量と消費量の推移は、アゴラのサイトhttps://www.agora-energiewende.de/de/themen/-agothem-/Produkt/produkt/76/Agorameter/で見ることができる。