青空自転車ディスコ

まる / 2012年2月15日

以前さざえさんが、踊る人の振動を電力に変えるという、オランダのロッテルダムで始まった”クラブ・ワット”の試みを紹介しました(「人力エネルギー」−東西どこでも考えは同じ)。これに似た発想で、自転車を発電機につなげてDJのターンテーブルが廻るようにし、踊るために必要な音楽を供給するという試みがあります。

「グリーンミュージック25自転車ディスコ(Green Music 25 Fahrrad Disco)」というイベントで、実は既に2010年8月にベルリンで初開催されていました。主催者はGreen Music Initiative  (http://www.greenmusicinitiative.de/)などで、ホームページなどでの呼びかけに興味を持った人たちが、当時人気だったクラブ、Bar 25(現在は存在しない)に集合しました。そこからイベントに必要な道具を分散して積んだ自転車をこいで、トレプトウ公園へ移動。芝生の上に置いた4台の自転車を発電機につなぎ、集まった人たちが交代しながら自転車をこぎ、これにより作られた電力でDJのダーティー・デューリングがレコードを回すという仕組みです。この日は、たまたま知らずに通りかかって飛び入り参加した人を含め200人くらいが、自転車をこいだり、音楽に合わせて踊ったり、気持ちの良い夏の日を楽しんだそうです。主催者が”移動式オフグリッド実験”(mobiles Off Grid Experiment)と呼んでいるように、このディスコに必要なものは手軽に自転車で好きな場所へ運ぶことができるので、自転車をこいでくれる人がいれば、いつでもどこでも楽しめてしまいます。自転車をこぐ人が交代する時に、音が切れることも多少はあったらしいですが、そのくらい目をつぶれるでしょう。きちんと音楽が流れるかは自分次第という、わくわく感もありそうです。

ちなみにこのディスコへの参加を呼びかけた際に、主催者は集合場所だけを教えて、そこから向かう場所は秘密にしました。それに惹かれて行ってみた人もいたかもしれません。そしてトレプトウ公園での実験が途中で中断されたのは、参加者の”エネルギー切れ”が理由ではなく、警官たちがやってきたためだそうです。これも”ハプニング”という感じをいっそう高めたのでは、と思います。

このディスコを恒常化するという話は聞きませんが、こういうイベントは、多くの人に自分達とエネルギーの関係について意識してもらう良いきっかけになるかもしれません。主催者のGreen Energie Initiativeは、環境にやさしい音楽・娯楽産業を促進するプラットフォームになることを目的にする組織で、”持続可能で未来型の音楽・娯楽産業”の実現を目指して、ドイツ各地でワークッショップやイベントも開いています。音楽・娯楽産業のエネルギー需要は非常に高いそうで、イギリス連邦の2007年のCO2排出量は54万トン。これは人口5万4000人の町の一年分の排出量、または自動車18万台分に相当するそうです。ドイツの音楽・娯楽産業によるCO2排出量はこれを上回ると推定されています。

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