グリーンクリスマス

やま / 2014年12月14日

DSC_1355毎年クリスマスが近づくと、ドイツでは多くの人がクリスマスイヴが雪で真っ白くおおわれることを楽しみにしています。毎晩、ドイツ公共第1テレビのニュース番組の終わりに、お天気キャスターによる天気予報の詳しい説明があります。番組の司会者は、このごろ毎日のように今年のホワイトクリスマスの確率を聞いています。何度聞かれても答えは同じ。今年のクリスマスはグリーンのようです。

新聞の第1ページにあった「グリーンクリスマス」という記事が目に留まりました。2014年度のドイツの年間平均気温は過去最高記録を上回るだろうと続きます。クリスマスと年明けの休みを利用してスキー休暇を楽しむ家族は少なくありません。今年はレジャースキーを諦めるか人工降雪機のお世話にならないといけないようです。

気温が年末まで極端に下がらない場合、今年は初めてドイツの年間平均気温が二桁になります。今までの年間平均気温の最高記録は14年前の2000年で9.9度だったそうです。1961年~1990年の間の平均気温は8.2度でした。2007年度の平均気温は最高記録よりもわずか0.1度下回ったそうです。ドイツ連邦気象局の予測によると今年度の平均気温は10.0度か、または10.4度に上昇するそうです。麦や菜の花の芽が、今年の冬はもうたくさん出ています。これから雪が降った場合、季節はずれに出た芽が枯れてしまうのではと農家の人たちは心配しています。

ドイツ連邦気象局の予測ではクリスマスイヴの気温は2度~9度。「ところによれば雪が降るところもあります。しかしこの気温で雪が残るでしょうか?」と気象局関係者は述べていました。となると、ホワイトクリスマスの望みはまったくないようです。グリーンクリスマスで満足しているのは、庭の小鳥たち。餌が十分に見つかります。

工業化(1850年頃)以前に比べて、地球の平均気温の上昇を2度未満に抑えるという「2度目標」があります。このままでは目標は実現できないのでしょうか。そしてホワイトクリスマスの見通しがなくなってしまうのではないでしょうか。原因は何かと考える暇はとてもありません。クリスマス、年末の仕度でだれもが忙しくて。

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