昨年大晦日に歴史的な使命を終えた南ドイツのグンドレミンゲン原子力発電所©️ Myratz
2011年3月の福島第一原発での過酷事故の直後、当時のドイツのメルケル政権は、段階的な脱原発を決定し、その行程表に従って当時17基あった原子炉の稼働停止を着々と進めてきた。昨年暮れには、北ドイツ、シュレスヴィッヒ・ホルシュタイン州のブロックドルフ、ニーダーザクセン州のグローンデ、それに南ドイツ、バイエルン州のグンドレミンゲンの3基の原子炉が稼働を停止した。最も新しく、最後に残った3基(北ドイツの1基と南ドイツの2基)も、今年年末までに稼働を停止する予定で、それとともにドイツの原子力エネルギー利用の時代は終わりを告げることになる。今回は稼働停止した3基の一つ、グンドレミンゲン原発についてお伝えしたい。 続きを読む»
ドイツの首都ベルリンは、市でありながら、ハンブルクやブレーメンと同じように州と同等の扱いを受け、ドイツ連邦共和国を構成する16州の一つである。そのベルリンで昨年12月21日、ドイツ連邦共和国の設立以来、初めての女性市長が誕生した。
ベルリン初の女性市長に選ばれたギファイ氏。市庁舎執務室のデスクにて。©️Senatskanzlei/Sven Darmer
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先週の水曜日、12月8 日は、ドイツにとって歴史的な日となった。この日、16年ぶりに社会民主党(SPD)の連邦首相が誕生し、ドイツ連邦共和国の歴史上初めてと言われる、3党連立による新政権が成立したのだ。それとともに16年間続いたメルケル政権が終わった。翌12月9日のドイツの新聞論調をお伝えすることにする。
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10月22日、彼女にとって最後となったEU首脳会議の後、記者会見に臨むメルケル首相©️Bundesregierung
気候変動対策が緊急の課題になるにつれ、ドイツ内外の政治家や経済界の代表などから、「2011年のフクシマの事故をきっかけにドイツが段階的な脱原発を決めたのは間違っていたのではないか」、あるいは「脱原発と脱火力発電の順序が逆の方が良かったのではないか」などという議論が起こってきている。そんな中でドイツのアンゲラ・メルケル連邦首相(新政権樹立までの暫定首相、キリスト教民主同盟/CDU)は、国際的な通信社ロイターとのインタビューで「10年前の脱原発の決定は間違ってはいなかった」と改めて表明した。 続きを読む»
11月11日、ドイツのスヴェンニャ・シュルツェ連邦環境・自然保護・原子力安全相(9月の連邦議会選挙後、新政権樹立までの暫定相)は、第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)の開催地、英国のグラスゴーで、オーストリアなどとの5カ国の共同声明を発表し、「原子力は地球温暖化防止の解決策にはならない。原子力は危険であるほか、発電所の建設に時間がかかり過ぎるし、持続可能でもない」と改めて強調した。 続きを読む»
9月26 日に連邦議会選挙が行われたドイツでは、10月26日、新たな連邦議会が召集された。第20期にあたる今回のドイツ連邦議会の初日には、社会民主党(SPD)の女性議員ベアベル・バース議員(53歳)が連邦議会議長に選出されたほか、5人の副議長のうち4人が女性になるなど、新しい動きが見られた。 続きを読む»