ドイツ語は結構厄介な言葉だ。人物を表す名詞に、例えば日本語の友達や英語の friend のように、一語で男女両性の友達を指す、つまり男女を区別しない便利な名詞がほとんどないのだ。英語の friend に綴りも近いドイツ語の Freund は友達を意味する言葉だが、これは狭義には男性の友達しか指さない。それにも関わらず、ドイツの公的文章や一般の文章では通常、男性を指す名詞が広義に解釈された形で用いられ、それには女性も含まれる。そのために以前から、「女性は無視されている」と不満を持つ女性や「アンフェアだ」と考える男性が増えてきており、ちょっとした論争を引き起こしている。
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指導力が問われていたが、重要な決定を下したショルツ首相©️Bundesregierung
連立政権内の意見不一致で中々決着のつかなかったドイツの脱原発が2023年4月15日になるようだ。オーラフ・ショルツ連邦首相が17日午後、基本法で定められた首相が単独で政策の方針を決断する権限に基づいてそう決定し、書面にてその内容を関連閣僚に伝えたからだ。
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ドイツの最終的な原発停止の時点を左右するだろうとされていた、この冬の安全な電力供給に関するストレステストの結果が9月5日に発表された。審査に当たったドイツの送電網4社は、まだ稼働中のドイツ最後の原子炉3基が予定通り今年12月末日に停止した場合には、ロシアからの天然ガスの輸入がほとんど停止してしまっている現在、冬期の安定した電力供給は大変緊迫した状態に陥るだろうとし、3基の稼働継続はそれを避けるために貢献すると発表した。それを受けてハーベック連邦経済・気候保護相(緑の党)は、3基の内の1基は予定通り年末に停止し、残り2基は2023年4月中旬まで緊急時の予備として残すと発表した。
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ドイツ南部バイエルン州にあるイザール原子 力発電所©️PreussenElektra
2011年の福島での原発事故を機に2022年末までの脱原発を決めたドイツで、脱原発の遅れる見込みが強くなってきた。ロシアのウクライナ侵攻が始まる前まで、ドイツはロシアからの化石燃料、特に天然ガスの輸入に大きく依存していた。しかし、現在ではロシアからのガス供給が契約の20%にまで縮小してしまい、他国からの輸入を考慮しても、この冬の十分なエネルギー供給が心配される。そのため各方面から、まだ稼働しているドイツ最後の原子炉3基の操業停止を延期するべきだという声が高まると同時に、政権与党の社会民主党や緑の党などの抵抗も弱まってきているのだ。
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©️Milosz1/flickr
長い間、ロシアからドイツにパイプラインを通して送られて来ていた大量の天然ガスの供給が、7月11日以降途絶えるかもしれない。送られて来るガスの量は、既に6月16日以後、一方的に契約上の量の40%に減少されてしまっている。そして、7月11日に始まる主要パイプライン、ノルトストリーム1の点検のための供給一時中断後に、果たして供給が再開されるかどうか懸念されているのだ。ロシアから天然ガスが来なくなると、ドイツは非常に大きな打撃を受けることになる。
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ウクライナに連帯を示す若者のデモ(ベルリン、2月27日)。
ドイツの若者はここ数年来、気候変動問題、コロナ・パンデミック、そしてこの春からは欧州地域での戦争に直面し、心理的に緊張した状態に置かれている。特に、飛行機に乗れば僅か2時間で行けてしまうウクライナへのロシアの侵攻は、若者にショックを与えているようだ。2022年夏版の『ドイツの若者・トレンド調査』からお伝えする。
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