ドイツ全国乗り放題!9ユーロチケットの是非

ドイツでは今年の6月1日から8月31日までの3ヶ月間、全国の地下鉄、バス、路面電車、近郊電車 (S-Bahn) 、中距離列車 (Regionalbahn) が1ヶ月間乗り放題でたった9ユーロ (約1230円) という、超格安チケットが 導入されている。「交通史上最大の実験」や「夏のメルヒェン」と呼ばれているこのチケットが、なぜ誕生し、どのように利用され、どんな問題を明らかにしたのかを紹介したい。

たった9ユーロと、安さを強くアピールするドイツ鉄道による9ユーロチケットの宣伝

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独マインツ市、膨大な “ワクチン収入” で財政が黒字に転換

日本では主に「米ファイザー社の新型コロナウイルスのワクチン」として知られているBNT162b2。ドイツ西部、ラインラント・ファルツ州の州都マインツ市に本社を置く若いバイオンテック社が開発し、ファイザー社と組んで1年前の11月に完成させたものだ。 世界中で引っ張り凧のこのワクチン、日本人を含む世界の何億人もがすでに接種を受けている。同社からの税収入で、所在地マインツ市の財政が一挙に万年赤字から黒字に転換することが明らかになった。

ライン川添いの州都マインツ市©️Landeshauptstadt Mainz/Angela Neumann

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7月29日で地球はオーバーシュート 私たちは地球に「借金」している

十分な給料をもらっているのに、毎月、給料日の前にお金を使い果たしてしまう人がいれば、私たちはその人のことを金銭感覚のない、だらしない人だと思うだろう。ところが私たち人類も、同じようなコトをしているのだ。なぜなら私たちはこの7月29日に、地球が今年1年間で生み出す資源を、もう使い果たしてしまったからだ。その翌日、つまり7月30日からは、人類は来年分の資源を地球から前借りして消費していることになる。しかも1年分の資源を使い果たす日、つまりオーバーシュートの日は年々早まっているという。

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環境に一番優しい乗り物は何?

この頃ドイツで、モビリティーという言葉をよく耳にする。直訳すると可動性だが、現在は、人がいつでも好きなところに移動できることを意味している。車や旅行が大好きなドイツ人にとって、このモビリティーは非常に大切で、これは彼らが近年勝ち得た生活の質の一つと思われているようだ。しかし地球温暖化が深刻になりつつある今、温暖化の原因である二酸化炭素を多く排出する交通機関、特に飛行機や大型乗用車が問題視されだし、もっと鉄道や公共交通機関を利用するべきだという声が上がっている。そんな中、ドイツ連邦環境庁が意外な調査結果を発表した。長距離の移動には、鉄道よりもさらにバスの方が少ししか二酸化炭素を排出せず、環境に最も優しい移動手段だというのだ。

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ドイツに「E−ハイウェー」登場

地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出を避けるために、いろいろな工夫がされている。その一つが、このほどドイツに登場したトロリーバスならぬ「トロリートラック」用のアウトバーンだ。人呼んで「E−ハイウェー」。ここでは、アウトバーンの車線の上に張られた架線から走行中のトラックに電力が供給される。それと同時に、トラックに搭載されたバッテリーも充電される。

©️Siemens AG/München Berlin

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アウトバーンはとても安全!?

ドイツには「カバレット」と呼ばれる寄席がある。政治的なテーマなどを面白おかしく、あるいは辛辣に扱い、聞いていると笑いが止まらないこともある。先日、ディーター・ヌアーというカバレティストが、テレビの寄席でアウトバーンの速度制限をテーマにした。その直前に、ドイツ政府が将来の交通政策の指針をまとめるために召集した委員会が、「二酸化炭素の排出量を減らすために、アウトバーンでの速度制限を提案する」という内部ペーパーの一部が、公になったことが理由だ。

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