断熱材と「暑さ寒さも彼岸まで」

「ドイツの省エネ住宅はしっかり断熱しているからエコ住宅だ」と日本でも言われているようです。事実、ドイツ全国では断熱材で覆われ、省エネ化された住宅の外壁の総面積は約8億1千万㎡(810k㎡)に及びます(ちなみにベルリン市の面積は約890k㎡です)。「しかし、このような断熱は実際に温室効果ガスの削減となるか? 本当に持続可能か?」と疑う声が増えています。実は断熱材だけに頼る省エネ対策に問題があるようです。 続きを読む»

映画『第4の革命』の提唱者シェーア氏の最後の講演?!

みなさま初めまして。新しい魔女見習いのえみぃです。数か月ほど前から、魔女ライターの大先輩方のお仲間に加えていただきました。本物の魔女が空の飛び方を学ぶように、私も環境・エネルギー分野で羽ばたけるよう、精進していきたいと思っています。

さて、私は現在ベルリンのとある大学院で “環境マネージメント” を専攻しています。マネージメントというと少し仰々しく聞こえるかもしれませんが、ドイツと日本の環境・エネルギー政策を比較する比較政治学を中心に学んでいます。この分野で重要な人物である、エネルギー革命の提唱者、故ヘルマン・シェーア(Hermann Scheer)氏にたまたまお会いする機会がありましたので、今回はそのことについてお伝えします。 続きを読む»

電気料金安定への提案は選挙政策?

アルトマイヤー独環境相が再生可能エネルギー優先法(EEG)の一部修正を提案し、ドイツで大きな話題になっている。この法律はドイツの再生可能電力の固定価格買取り(FIT)の基礎で、一般的に、最近の電気料金高騰の主因とされるため、批判が収まらないからだ。しかしこの提案は、単なる選挙対策だという声もある。

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ドイツの発電量、多過ぎ!

ドイツが昨年隣接国に輸出・提供した電力は過去最高で、隣接国から輸入・受容した電力を230億kWh上回った。ドイツ全国エネルギー・水利経済連盟(BDEW)の発表による。これは前年2011年の80億kWhの約3倍に相当し、今までの過去最高だった(原発8基停止以前の)2008年の223億kWh以上になる。国外に流れる電力には通常対価が支払われ輸出となるが、この中には無償で国外に流れた電力や、逆に対価を支払って外国に受け入れてもらった電力も含まれるため、一概には喜べない。このような利益に繋がらない余剰電力は、気候差で発電量が大きく揺れる太陽光や風力による再生可能電力のために、ドイツの送電網が一時的に計画外の電力で満杯になった際に発生する。

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ドイツが心配する尖閣諸島問題

みどりの1kWhの本来のテーマとは離れるのですが、1月23日付の南ドイツ新聞第2面「今日のテーマ」で、「中国と日本の間の力比べ」が大きく取り上げられていました。昨夏から騒がれている尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる領土問題については、もちろんドイツにも伝わっています。秋くらいに中国人の知人から「戦争にならないといいね」というEメールを貰った時には「まさか、そんな……」と思ったものですが、ここ数ヶ月の両国の不穏な言動を見ていると、やっぱり心配になってきました。

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独仏友好条約50周年、エネルギー政策でも協力

先日、雪に覆われたベルリンに、パリからフランスの政治家たちが大挙してやってきた。オランド大統領をはじめ、政府閣僚、国民議会の議員など数百人が、ドイツの政治家たちとともにエリゼ条約(独仏友好条約)締結50周年を祝うために、ベルリンに集まったのだ。50周年の公式記念式典は1月22日に行なわれた。

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