テレビが作りだす危険な沈黙 - 原発事故後の日本

「ベルリン100°」というフェスティバルがある。このフェスティバルはパフォーマンス、演劇、朗読、ダンスなどの分野で、これからを嘱望されるタレントの発見という意味合いを持っており、今年で10回目を迎えた。通称ハウ(HAU)で知られるヘッベルテアーター・アム・ウーファーとゾフィーエンゼーレの2ヶ所で、金・土・日曜日の3日間、1時間ごとに次から次へと作品が演じられる。新しい才能や作品を発掘しようとするベルリンならではのフェスティバルだ。今年は2月21・22・23日に開催され、ベルリン在住の知人西原(さいばら)れんさんが「沈黙-エクストラ」という作品で登場した。

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勝ち点1で1kWhもらえる? 再生可能エネルギーの大手、リヒトブリック社がドルトムントの新スポンサーに

2010/11、2011/12年シーズン、サッカー日本代表で現在マンチェスター・ユナイテッドに所属する香川真司選手がプレーしたボルシア・ドルトムントは、再生可能エネルギー会社リヒトブリック(LichtBlick)とスポンサー契約を結んだことを、このほど発表しました。 続きを読む»

寒いベルリンでの脱原発デモ

3月9日の土曜日、東京で行われた「さようなら原発1000万人アクション」デモに1万5000人が参加したというが、この日、ドイツ各地でも脱原発デモが行われ、延べ3万人が参加した。ここベルリンのブランデンブルク門前では、東京のデモに呼応して「サヨナラ・ニュークス・ベルリン」(さよなら原子力ベルリン)の集会とデモが行われた。また、東日本大震災2周年にあたった11日には、「アンティ・アトム・ベルリン」主催の反原発デモが行なわれ、ベルリンの日本大使館前での抗議集会には、北ドイツ-ニーダーザクセン州の農民もトラクターで参加、原発事故の被害を受けた日本の農民への連帯の気持ちを表明した。

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「わたしのベンツはパジャマで覆われている」

今年のドイツの冬の日照時間は、過去に例のないほど少なかったそうです。暦どおりに3月1日からやっとベルリンにも春が訪れました。待ちに待った太陽を浴びながら思う未来はばら色です。気候変動? 地球温暖化? なんとかなる、肝心なのは今の生活水準が保てること、石(油)にかじりついても……。「それは思い違いだ。未来とは現在がグリーンウォッシングされたという状態ではない」と考える「未来完了形(Futurzwei)」という財団があります。ドイツ語をかじった方はご存知だと思いますが、未来完了形は、ある事が近い未来に完了することを表し、「~してしまっているだろう」という意味です。

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「過小評価してしまう危険を最小化したかった」

先日、久しぶりにアパートの大家さんと会って、立ち話をしたときのことである。大家さん夫妻が「日本は本当に大丈夫か」と真顔で尋ねた。2年前の原発事故以来、会えば原発事故後の日本のことを心配していることがわかる。事故2周年を前に、ドイツのテレビや新聞で福島のことが再び頻繁に取り上げられるようになっている。そして、ドイツのニュース番組を中心に放送しているn-tvのウエブサイトに載っている記事について、大家さんからメールが送られてきた。

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日本の脱原発デモの動きを追った映画「Radioactivists」

「Radioactivists」(2011年作品)

福島で原発事故が起こったのは、2年前の2011年3月。日本では、その1か月後にようやく脱原発デモの動きが出始めた。最初に動き出したのが、東京・高円寺のリサイクルショップ「素人の乱」を中心としたグループだ。デモに至るまでの動きやその背景を若いドイツ人監督が撮ったドキュメンタリー映画「Radioactivists」(2011年作品。72分)の上映会がベルリンであったので、行って来た。 続きを読む»