日本で総選挙が行われた翌日の12月17日(月)中部ヨーロッパ時間の午後4時(日本時間、18日零時)から約1時間、ベルリンの首相官邸でメルケル首相と外国人記者協会との会見が行われた。年末の記者会見は前から予定されていたものだが、なぜか今回はいつもと違って制約があり、首相のステートメントのあと、世界の4地域から1問ずつ質問を許された。日本人記者団も代表質問で一つだけ質問することを許されたため、私たちはメルケル首相に日本の総選挙結果やそれに伴う日本が直面する問題についての感想を聞いたのだった。 続きを読む»
選挙直後のドイツの新聞論調は、去年の東日本大震災、福島第一原発の過酷な事故の後初めて行われた衆議院選挙の結果に驚きを示すものが多かった。あれだけ大きな原発事故を起こした日本で、脱原発を望む多くの人たちの気持ちが選挙結果に全くと言っていいほど反映されなかったことへの驚きは、見出しにも現れていた。「フクシマを軽視」(taz、ディー・ターゲスツァイトゥング)、「日本は原子力を選んだ」(ベルリーナー・ツァイトゥング)などなど。50年以上政権を担当して原発推進政策をとり続けてきた自由民主党に圧倒的な勝利をもたらした日本の有権者の選択は、ドイツのジャーナリストたちの理解を超えるものだったようだ。
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ガスと電気をお安く
先日ご紹介したtest誌に、「フィナンツテスト」(Finanztest)という姉妹誌があります。これも「商品テスト財団」が毎月発行しているもの(4.5ユーロ:約480円)なのですが、12月号の特集テーマは「ガスと電気をお安く」でした。2013年1月に電気料金の値上げ実施が目の前に迫っているからでしょう。ベルリン各駅の本屋さんで探すと、もう売り切れのところもあって、私はたまたま電車の乗り換えをしたデュッセルドルフ中央駅の本屋さんで、最後に残った一冊を購入しました。
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福島の原発事故3ヶ月後の2011年6月にドイツは脱原発を決定した。どうしてドイツはあれほど素早く脱原発が決定出来たのだろうか。第一の理由は、同国に反原発運動の長い歴史があり、国民が脱原発を望んでいることにあると思う。第二の理由は、電力市場が自由化されていることと、再生可能エネルギーを促進する「再生可能エネルギー優先法」が2000年以来存在することだろう。第三は、ドイツの送電網が隣接国の送電網と繋がっており、お互いに電力を融通出来ることだと考える。これらについては今までにもみどりの1kWhで何度か書いてきたが、今回、もう一つの理由を見付けた。それはドイツに充分な予備の発電能力があることだ。一般には話題になっていなかったが、政策を決定する政治家たちは充分承知していたのだろうと察する。
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ベルリンは今一面の雪景色。2−3日前に降った雪が13センチも積もったところがあるとローカル・ラジオが伝えていた。私が住むアパートの中庭では、雪だるまをつくったり、そりに乗ったりして遊ぶ子供たちの姿が見えるが、楽しそうな子供たちの姿を見るたびに私の胸は痛む。福島の子どもたちのことを考えるからだ。
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投票所である日本大使館がある「ヒロシマ通り」。「何だか変なシールが貼ってある」と思ったら、それは「Atomkraft? Nein, Danke!(原子力おことわり)」という反原発シールでした。
12月16日(日)は、日本では衆議院選挙の日ですね。私たち「みどりの1kWh」の関心事であるエネルギー転換も争点の一つとなっているこの選挙。ベルリン在住の私もすでに投票をしてきました。「え? 国外に住んでいても投票できるの?」と驚かれる方もいるかもしれませんね。そうなんです。日本には、海外在住の日本人も投票できる「在外選挙制度」というものがあります。嬉しいシステムではありますが、実際投票したり、周囲の日本人と話したりしてみて、「この制度、もうちょっと簡略化できないかな……」とも感じました。
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