フクシマ汚染水の海洋放出、ドイツ・メディアの報道

世界中から注目される中、8月24日、東京電力は福島第一原発から出た汚染水の海洋放出を始めた。その1ヶ月後の9月25日、ウィーンで開かれた国際原子力機関 (IAEA) 総会では、汚染水海洋放出について中国が改めて抗議を行うなど、この問題を巡ってはまだまだ議論が続きそうだ。ところで、今年の4月に脱原発を達成したドイツのメディアは、汚染水の海洋放出をどのように伝えたのだろうか?少し時間が経ってしまったが、報告しておきたい。

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ドイツから見た東京オリンピック

ドイツには、古臭くなった事柄を表すのにSchnee von gestern(きのうの雪)という言い方がある。8月8日に閉会式を終えた夏季東京オリンピックについて、今頃 原稿を書くのは「きのうの雪」の感じがしないでもないが、閉会式前後にとっておいたドイツの新聞の記事の内容を少しまとめてみようという気になった。 続きを読む»

東京電力旧経営陣三被告に対する無罪判決について、ドイツの新聞はどう伝えたか

福島第一原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で、強制起訴された東京電力の勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の三被告に対し、東京地裁は9月19 日、いずれも無罪の判決を言い渡した。事故の刑事責任が問われた唯一の公判だった。少し遅くなったが、この判決についての翌20日のドイツの新聞論調の幾つかをお伝えしようと思う。 続きを読む»

メルケル時代の終わりの始まり

10月30日、ドイツ中の新聞が一面トップにメルケル首相の大きな写真を載せた。ほとんどが前日のベルリンでの記者会見の写真を載せた中で、首都ベルリンの新聞「ベルリーナー・ツァイトゥング」は、彼女がキリスト教民主同盟(CDU)の党首に就任した直後の2001年の写真と前日の写真の二つを並べて掲載した。同じくベルリンで発行されている新聞「ターゲス・シュピーゲル」は、彼女が連邦青年女性相に就任した1991年の写真のみを載せたが、キャプションには「アンゲラ・メルケルは30年近く我々と共にあった」と書かれていた。前日の10月29日、メルケル首相は18年間務めたCDUの党首を辞任すると発表したのだった。ドイツ各紙のさまざまな論調をご紹介する。 続きを読む»

ヨーロッパを騒がせたトランプ大統領

7月11日からヨーロッパを訪問したトランプ大統領は、ブリュッセルやロンドンで西側諸国を批判する発言をし、7月16日、最後の訪問地、ヘルシンキで、ロシアのプーチン大統領と会談し、帰国した。そのトランプ大統領のヨーロッパ訪問について、ドイツ・メディアの7月17日の論調をお伝えする。 続きを読む»

過大評価される電気自動車

世界各地で電気自動車(電気乗用車)が普及したら、世界の二酸化炭素排出量は軽減するだろうか。パリにある国際エネルギー機関(IEA)がこの度発表した今年度の報告書によると、電気自動車が大幅に普及しても世界の石油消費は当分減らず、電気自動車のおかげで減るだろうと予測される二酸化炭素の排出量は、2040年の時点でも僅か1%にしかならない。いくつかの新聞や雑誌が報道してしている。 続きを読む»