ベルリンの日刊紙「デア・ターゲスシュピーゲル」は日曜版に長いインタビュー記事を掲載する。様々な分野の人が登場し、インタビュアーも突っ込んだ質問をするので、なかなか読みごたえがある。3月31日は女性経済学者クラウディア・ケンフェルト教授のインタビュー。現在45歳の同教授は、35歳の若さでベルリン・フンボルト大学の経済学教授になり、同時にドイツ経済学研究所 (DIW、Deutsches Institut für Wirtschaftsforschung) のエネルギー・交通・環境部門の部長も兼務している。「ドイツは自分たちのエネルギー転換に誇りを持て」という彼女の主張をまとめてみる。
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「地球温暖化にはもう疑う余地がない」、「温暖化は人間が作ったものだ」。このほど横浜で開催された第38回気候変動に関する政府間パネル(IPCC) 総会からのメッセージは、今この地球に住む我々一人一人への(2007年に続く再度の)警鐘で、温暖化ガスの削減は我々に課せられた義務と言える 。 エネルギーの需要を出来るだけ多く自然エネルギーで賄い、化石燃料の燃焼で増える温暖化ガスの発生を減らそうというドイツで進められているエネルギー転換は、その方向に向かっての努力なのだが、これを既に「失敗だ」と決めつける日本のメディアがこのところどうも増えているように見受けられる。短絡的に、しかも目先のことしか考えないと、そういう結論が出てくるのかもしれない。
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2月半ば、新著のプレゼンテーションへの招待メールが送られてきた。読んでみると、このサイトでも紹介した『Japan レポート3.11』の著者ユディット・ブランドナーさんからのもので、彼女の最新作“Zuhause in Fukushima”をウィーン市内の各所で発表するという案内だった。『我が家は福島に』とでも訳せるだろうか。ウィーンまでは行けないが、早速ネットで注文。2週間後の3月上旬に出版されたばかりの本が届いた。ワクワクしながら読み始めた。 続きを読む»
1965年から村の紋章に「高圧電気」のマークを付け加えたヴァンダンツ。人口およそ3000人のこの村はオーストリアのフォアアールベルグ州南部、海抜2000m以上の山々に囲まれたモンタフォン流域にあります。川沿いに建つ無数の鉄塔には蜘蛛の糸のごとく高圧線がかかっています。スキー客で賑わうヴァンダンツの持続可能な雇用は観光業ではなく、実は発電だということを知りました。 続きを読む»
電力消費量の多い企業に対する再生可能電力促進のための賦課金の支払い免除がなくなることを、ドイツの産業界が恐れていたが、免除はこれからも続くようだ。このほど明らかになったEUの「再生可能電力促進のための補助に関する新しい指針案」により、EUが免除に全面的には反対しないことが判明したのだ。ドイツの産業界が胸を撫で下ろしている。 続きを読む»
テレビ局WDRのウェブサイトに掲載された番組紹介
東日本大震災から3年が経とうとする2014年3月6日(木)に、ドイツのテレビ局WDRで、ロンドン在住の日本人ディレクター三宅響子さんが福島の親族を追ったドキュメンタリー『Meine Tante aus Fukushima(福島の叔母さん)』が放映された。福島県浪江町に暮らし、原発誘致派だった叔母さん。原発で豊かになった町で商売を成功させていたのに、原発事故で家も仕事場も放棄して避難を余儀なくされる。叔母さんは今、何を思うのか? 叔母さんの心の軌跡を丁寧に追ったドキュメンタリーだった。 続きを読む»