ドイツで、学校の新学期が始まりだした。この国の教育行政は州の管轄で、夏休みが始まるのも終わるのも州によって異なる。一番乗りは夏休みが6月22日に始まった北部ドイツのメクレンブルク・フォアポメルン州で、学校は8月3日から始まっている。これにハンブルクが8月5日、ベルリンなどが8月10日に続き、8月12日には人口の一番多いノルトライン・ウェストファーレン州で新学期が開始した。ドイツの学校は今年、コロナ禍のために3月半ばから一時全国で完全に閉鎖され、その後少しずつ不規則な授業が行われてきた。子供たち、親たち、教育学者、心理学者、そして経済界 ~ みんなが正規の授業を望んでおり、どの州も新学期からはコロナ以前の授業体制に戻る予定だが、先がどうなるかはまだ分からない。 続きを読む»
7月26日、ドイツ社会民主党(SPD)の政治家、ハンス=ヨッヘン・フォーゲル氏が亡くなった。94歳だった。翌27日のドイツの新聞の多くは、一面に「偉大な社会民主主義者」「民主主義を体現した政治家」といった見出しの大きな追悼記事と写真を載せた。長年ドイツの政治に影響を与えてきたフォーゲル氏だが、ドイツ統一直後の1994年に連邦議会議員を辞めて、政治の表舞台から姿を消したため、若い世代には馴染みがない政治家かもしれない。しかし、旧西ドイツ時代の1972年から1989年までの27年間、ドイツの国際公共放送、ドイチェ・ヴェレの日本語番組の記者として働いた私にとっては、尊敬できる政治家の一人で、忘れられない人だった。改めて彼の長い政治活動を振り返ってみる気になった。 続きを読む»
ベルリンから隣のポツダム市に電車で向かう途中に、グリープニッツゼーというレンガ造りの小さな駅がある。駅名の由来となったグリープニッツ湖の周辺には森が広がり、近くにはプロイセン王室ホーエンツォレルン家が建てた宮殿も点在していて、この一帯はベルリン近郊で最も美しい場所だ。19世紀後半には高級住宅地として開発され、今も瀟洒な邸宅が並んでいる。7月25日、その一角にあるヒロシマ・ナガサキ広場で原爆の犠牲者を追悼し、核兵器の廃止を求める集会が行われた。
ヒロシマ・ナガサキ広場。記念碑の制作は、石彫刻家藤原信さん(故人)を中心に行われ、2010年に除幕式が行われた。
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私たち日本人にとっては、マスクはなじみ深いものである。風邪をひいた時や花粉症に悩む時、マスクをすることに何の抵抗もない。だから新型コロナウイルスが流行り始めた時、誰もが自発的にマスクをつけたのではないだろうか。韓国など他のアジアの人たちも、マスクに対して似たような感覚を持っているようだ。ところが、一般のドイツ人はこれまでマスクをする習慣がなかったし、マスクに対する従来のイメージは、非常に悪いものであった。 続きを読む»
コロナ禍は、ドイツの二酸化炭素の排出量にどう影響するだろうか。ドイツのエネルギー転換のシンクタンクであるアゴラは 、ドイツでロックダウンが敷かれ、社会生活の一部が停止した3月末に、この国の今年の二酸化炭素排出量を1990年比でマイナス40〜45%になるだろうと予測した。しかしロックダウンが解除されてからも、市民は感染を回避するために公共交通機関を避けて自家用車を優先させたり、多くの企業でインターネットなどを利用した在宅勤務やビデオ会議が導入されたり、娯楽面でも動画配信サービスが活発に利用されるなど、エネルギーの消費は減るだけではないように見受けられる。
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世界の中には今もコロナが猛威を振るっている地域があるが、幸いなことに欧州では コロナはかなり下火になってきた。夏のバカンスシーズンが始まったこともあり、一部の国を除いて、欧州連合(EU) 域内の移動の自由が復活した。EU理事会も、日本など域外の15カ国からの渡航者の入国制限を解除するよう勧告を出した。ところがこうした人の移動の自由化の流れを無視して、日本が外国人の入国を拒んでいることが、ドイツではちょっと話題になっている。
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