レストランも再開、進むコロナ規制措置の緩和

ほぼ6週間ぶりにカフェやレストランがオープン。再開を待ちかねていた人たちで賑わった。

5月6日、メルケル首相とドイツ全国16州の首相との間で、今後のコロナ措置の緩和について話し合う電話会議が行われた。赤いジャケットに身を包んだメルケル首相はその結果を伝えるために開かれた記者会見で、「私たちはパンデミックの最初の局面を乗り切ったといえます」と語った。みんなが心待ちにしていた嬉しい言葉だった。

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警告を繰り返したメルケル首相、コロナ危機下の施政方針演説

注目されたコロナ危機下で初めてのメルケル首相の施政方針演説©️Bundestag/Achim Melde

メルケル首相は4月23日ドイツ連邦議会で、コロナ危機下で初の施政方針演説を行い、「コロナ危機はまだ初期の段階で、終わりは見えていない」と述べ、早期に規制緩和する事の危険について警告した。 続きを読む»

コロナ規制の一部緩和で、少し元気を取り戻し始めた街

コロナウイルスの感染拡大を防ぐため第一弾、第二弾と措置が徐々に厳しくなっていったために、ドイツでは3月中旬頃から、映画に行ったり、友達と会ったりという日常生活のささやかな楽しみが、奪われていった。食料品店やスーパー、薬局などのごく限られた店以外は閉まったため、買い物に出かける楽しみもなくなった。しかしそんなことは些細なことで、休業を強いられた人や職を失ってしまった人もいる。もっと辛いことに、ドイツだけでもコロナウイルスのせいで、すでに5000人以上もの人が亡くなった。その一方で、4月15日、コロナ措置の一部が緩和されることが発表された。コロナ危機が始まってから、出口の見えない暗くて長いトンネルの中にいるような気分で毎日を過ごしていた私たちにとって、久しぶりの明るいニュースだった。

営業再開したブティックの店頭で見かけた、私たちの気持ちを代弁してくれるTシャツ。

 

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コロナ危機とドイツの学校

ドイツで、新型コロナウイルスの感染者数を抑えるために、ロックダウンが始まったのは、3月半ばだった。学校や幼稚園が閉鎖されたのもその頃で、イースターの祝日(今年は4月12/13日)より4週間も前のことだったが、学校のイースター休みを前倒しにして、しかも延長したような形のこの閉鎖に、反対する人はいなかった。ドイツの教育行政は本来なら州の管轄で、いつもなら全16州で足並みが揃うわけではないし、連邦政府が細かいことに口を出すこともできない。しかし、今回は前代未聞の学校の閉鎖が始まった後で、連邦政府と州政府が話し合いで、閉鎖をまず4月19日まで続けることに合意し、また、イースター祝日明けの15日に再び話し合いを設け、 次の段階について大まかな方針をまとめることになっていた。その話し合いで、学校は早くても4月20日から、段階的にしか始まらないこと、幼稚園は多分8月にならないと再開しないことなどが明らかになった。過去5週間、特に小さい子供たちの面倒を見てきた親たちが悲鳴をあげたり、デジタル授業についていけない子供たちを心配したりする教育学者や倫理学者は少なくない。

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コロナ危機のドイツ、日々の暮らしはどう変わったのか  

ワイン専門店の入り口の貼り紙。店内では、店員や他の客に2メートル以上近づかないよう呼びかけている。

日本より春の訪れが遅いベルリンは、今、桜や木蓮の花が満開だ。これから一年で最も美しい季節が始まると、いつもなら心が踊るこの時期だが、今年は多くの人が不安を抱えながら生きている。というのもドイツでもコロナウイルスが猛威を振るっており、 2020年4月11日現在、感染者が11万7658人、死者が2544人も出ているからだ 。コロナによる感染拡大を少しでも抑制しようと、ドイツでは3月中旬から様々な措置が取られてきた。そのせいで今までは当たり前のようにやっていた色々なことができなくなり、窮屈な日々が続いている。その一方、イタリアのような厳しい外出制限は出ていないため、いつもとさほど変わらない部分もある。コロナ厄難下のベルリンでの生活の一面を伝えたい。

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ドイツ、コロナ被害の対策に、過去最大の補正予算

©️Bundestag/Axel Hatmann

新型コロナウイルスが高速度で広がる中 、通常はあまり多く使われないのだが、このところドイツで毎日耳にする言葉が 「先例なし」だ。夏休みでもないのに学校や幼稚園が5週間も閉鎖したり、映画館、図書館、生活必需品以外の物を売る店やレストラン、そして喫茶店までが一斉に閉まってしまったりするのは、本当に前例なしだ。そして、できるだけ家にとどまり、一緒に住んでいる家族など以外の人とのコンタクトを避け、他人と接する場合には1.5  mの間隔を空けなくてはいけないなどということも前代未聞だ。注文が入らないので倒産寸前の企業もあるし、大企業でさえ、部品が届かないので工場を一部閉鎖するところも現れている。経済活動が停滞し、 収入が急激に減ったり無くなったりする人たちを援助することや、企業の倒産を避けること、そしてこのコロナショックが過ぎ去った後の経済・企業活動を考え、ドイツでは種々対策が練られている。その一つとして、ドイツ連邦議会は25日急遽、1560億 ユーロ(約18兆7200億円)の補正予算を可決した。これまた、先例なしの規模と速さだった。

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