メルケル首相、コロナ危機対策について、市民に訴える
メルケル首相は3月18日、テレビを通じて、コロナ危機対策について、市民に理解と協力を求める演説をした。こういう形での演説は、これまでは新年の挨拶に限られていたが、今回は緊急事態での呼びかけとなった。平易な言葉で政府の立場を説明しながら、具体例を挙げて市民の理性と感情に訴えたこの演説は、名演説ではないが感動的なもので、政府のコロナ対策への信頼感を強めることにもなった。
メルケル首相は3月18日、テレビを通じて、コロナ危機対策について、市民に理解と協力を求める演説をした。こういう形での演説は、これまでは新年の挨拶に限られていたが、今回は緊急事態での呼びかけとなった。平易な言葉で政府の立場を説明しながら、具体例を挙げて市民の理性と感情に訴えたこの演説は、名演説ではないが感動的なもので、政府のコロナ対策への信頼感を強めることにもなった。
ドイツ連邦議会は3月25日、コロナウイルス危機により経済的打撃を受ける個人や企業に対する連邦政府提案の大規模で具体的な経済支援策を賛成多数で承認した。この連邦議会では、議員全員が起立して医師や看護師、介護関係者、警察官、交通機関やスーパーの従業員など、コロナ危機でも必死に働いている人たちへ一斉に拍手を送るなど、感動的な場面が見られた。この連邦政府の経済支援策は、2日後の3月27日、連邦参議院でも承認された。この異例の超スピードの審議プロセスからも、政府が緊急事態での対応をいかに重視しているかわかる。政府の取り組みや、コロナ危機についてドイツ各紙がどう評価しているのか、紹介する。
ベルリン西部、シャルロッテンブルク地区の住宅街にあるシュタイフェンザント通り。2月25日の朝9時、ふだんは人通りの少ないこの通りの6番地の集合住宅の前に、20人近い人が集まり、芸術家グンター•デムニッヒ氏が5つの「躓きの石」を埋める様子を見守った。ホロコーストから75年、5人の犠牲者が長い旅を終えて、家に帰ってきたのだ。
3月4日の水曜日、人々の目は再び東部ドイツ、テューリンゲン州議会に向かった。この日、同州議会で州首相選出の選挙が再び行われたからである。今回州首相に立候補したのは、左翼党の元州首相、ボードー・ラメロー氏と右翼ポピュリズム政党「ドイツのための選択肢 (AfD 」の州代表で党内極右に属するビヨルン・ヘッケ氏の二人だった。ラメロー氏を州首相に押す左翼党と社会民主党(SPD)、それに緑の党の少数連立政権が、キリスト教民主同盟(CDU)の閣外協力を得て樹立できるかどうか、あるいはヘッケ氏が前回2月5日のように策略を弄して、ラメロー政権の樹立を妨害するかが、焦点となった。
2015年をピークに、大勢の難民がドイツに流入して以来、今年の夏で5年が経つ。内戦や身の危険を逃れてドイツに来たシリア人やアフガニスタン人、エリトリア人やイラン人。当初、彼らの運命に同情し、彼らを心から歓迎するドイツ人が大勢いた。しばらく前から労働力が不足気味のドイツにやって来た彼らを、将来の労働力として歓迎する経済人たちも少なくなかった。しかし、彼らを迎い入れるための経費は莫大だし、彼らを受け入れ、ドイツ社会に統合することは並大抵の作業ではない。彼らの中に初めからドイツ語を話した人はほとんどおらず、彼らの生活様式もドイツ人とは異なっているからだ。 しかも、彼らの多くはトラウマを背負っている。だが、ドイツ人が難民を受け入れる努力は、確実に実っていると思われる。 続きを読む»
ドイツ北部の街ハンブルクは、ハンザ同盟時代の「帝国直属都市」の伝統から、現在も市でありながら州と同等の扱いを受けている特別市である。2月23日に行なわれたハンブルク市議会の選挙は、今年2020年に行なわれる唯一の州選挙だったため、ドイツの政党の現状を示す選挙として、その結果が注目されていた。二大国民政党の全国的な退潮傾向が続く中、ハンブルクでの社会民主党(SPD)の予想以上の得票は、国民政党の今後のあり方を示す明るい兆候と言えなくもない。