映画「不屈の女たち」― 民主化に貢献した旧西ドイツの女性政治家たち

ドイツではきょう、連邦議会選挙が行われているが、この選挙を前にして、あるドキュメンタリー映画が話題になっている。映画のタイトルは「Die Unbeugsamen(不屈の女たち)」だ。この映画は第二次世界大戦後、ライン河畔の小さな町ボンを首都に誕生したドイツ連邦共和国(旧西ドイツ)、すなわち1949年から1990年10月の東西ドイツ統一まで存在した「ボン共和国」での数少ない女性政治家たちの活動に光を当てた映画なのだ。

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連邦議会選挙、気候問題に関する各党の公約は?

ドイツの連邦議会選挙があと1週間後に迫って きた。今回は47もの政党がこの選挙に臨むのだが、実際に接戦を繰り広げているのは、現在すでに議席を持つ6政党だ。どの党も30%を超すような高い得票率は達成できないと予想されるため、選挙後に2党ではなく3党による連立政権が成立する可能性が高く、いく種類もの組み合わせが考えられる。そんな中、各党は今回の選挙で最も重要なテーマである気候問題に関して、どのような対策を公約しているのだろうか。ベルリンにあるドイツ経済学研究所(DIW)が調べた。

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メルケル首相の後継者は誰に?大混戦の連邦議会選挙

ドイツでは9月26日に、連邦議会選挙が行われる。この選挙でどの党が幾つの議席を獲得するかによって、どんな政権が成立し、誰が首相になるかが決まる。そんな大切な選挙だが、目下、大混戦となっている。2005年から4期16年間も首相を務めてきたアンゲル•メルケル氏がこの選挙には出馬せず、政界から引退するこが決まっているため、ドイツ国民はメルケル氏に代わって誰に国政を託すか迷っているようだ。

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 タブーだった原発稼働延長の問い掛け

今年ほど世界各地で気温が50度前後まで上昇したり、大規模な山火事が 起きたりしたことは過去になかったのではないだろうか。世界各地で大豪雨があったり、大規模な洪水が発生したりしたのも今年だ。ドイツも例外ではなく、ノルトライン・ヴェストファーレン州やラインラント・プファルツ州は7月に大変な豪雨と洪水に見舞われ、町や自然が荒らされ、200人近い人達が命を落とした。ドイツの気候学者たちを含む国際的な研究者グループは、このほど、この大災害が気候変動に帰することにはほとんど疑いがないと分析した。また、このような災害が繰り返される可能性も大きくなったと指摘した。しかし、このような出来事に対してできることが全く無い訳ではないと、ドイツ公共第一テレビ(ARD)の報道番組「コントラスト」が8月26日に伝えた。石炭火力発電を止めれば良いのだという。

現在の予定では、2038年まで稼働することになっているノイラート褐炭火力発電所 ©️RWE

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ドイツから見た東京オリンピック

ドイツには、古臭くなった事柄を表すのにSchnee von gestern(きのうの雪)という言い方がある。8月8日に閉会式を終えた夏季東京オリンピックについて、今頃 原稿を書くのは「きのうの雪」の感じがしないでもないが、閉会式前後にとっておいたドイツの新聞の記事の内容を少しまとめてみようという気になった。 続きを読む»

選挙戦に一石を投じた緑の党の気候保護・緊急プログラム

緑の党の共同代表、アナレーナ・ベアボック氏とロバート・ハーベック氏は、8月3日、ベルリンの北にあるビーゼンタール自然公園に記者団を招いて、同党の気候保護・緊急プログラムを発表した。9月に行われる連邦議会選挙の後、次期政権に参加する緑の党の意志を改めてアピールし、政権与党となった場合の気候変動対策を中心とする政策の具体案を示したものだ。

良好な関係を維持するベアボック連邦首相候補とハーベック共同代表©️gruene.de

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