今年秋の連邦議会選挙に向けて、ドイツの緑の党が男女の共同党首のうち、どちらを連邦首相候補に選ぶか、注目を集めてきたが、4月19日、同党は女性のアナレーナ・ベアボック共同党首を連邦首相候補に決定したと発表した。緑の党が連邦首相候補を出すのは、同党の40年の歴史で初めてのことで、女性である点と40歳という若さが新鮮な印象を与えた。緑の党は、この時点での世論調査では保守の政権与党に続いて第2党の地位を占めていたが、最近ますます支持率を高めており、メルケル首相の後継者に女性が再び選ばれる可能性も現実味を帯びてきた。翌4月20日のドイツの新聞のほとんどは一面トップにアナレーナ・ベアボック氏の写真を載せ、大きな記事を掲載した。その新聞論調を中心にお伝えする。 続きを読む»
アナレーナ・ベアボック氏©️Urban Zintel
ドイツではこの秋、4年ぶりの連邦議会選挙が行われる。過去16年間連邦首相を務めたアンゲラ・メルケル氏は以前から、「今期が最後で次回は立候補しない」と表明しているので、この選挙で新しい連邦政権と新連邦首相が誕生する事は確実だ。もちろん、選挙でどの政党が 最大多数の票を得るかは、今回もいつもと同じように最も重要な事柄だ。しかし、現時点での国民の最大関心事はもっぱら、誰が各党の首相候補になるかということだ。
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日本と同じように、地球の温暖化を避けるために 2050年までの「カーボン・ニュートラル」を宣言しているドイツは、昨年、二酸化炭素の排出量を1990年比で40.8%削減した。これでドイツは、独自に立てていた「 二酸化炭素の排出量を2020年に1990年比でマイナス40%にする」という削減目標を達成したことになる。ドイツ連邦環境庁がこのほど発表した『2020年度気候保護報告書』で明らかになった。
電力大手RWE のノイラート褐炭火力発電所 ©️RWE AG
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緊急記者会見を開き、決めたばかりの措置を撤回すると告げたメルケル首相©️PHOENIX
メルケル首相は、3月24日、前日に16州の首相とのオンライン・コロナ対策会議で決定した、イースター(復活祭)期間の全ての企業や店舗に対する厳しい追加的ロックダウン措置を間違いだったと撤回し、混乱を招いたことに対して全ての市民に謝罪した。メルケル首相の謝罪に対するドイツの新聞論調と、その後の世論調査の結果をお伝えする。 続きを読む»
2011年3月の福島第一原発の事故をきっかけに、ドイツは原発と決別することを決めた。現在まだ6基の原発が稼働しているが、来年の年末までに、全ての原発が停止することになっている。しかし、ドイツ連邦環境•自然保護•原子力安全相のスヴェンニャ•シュルツェ氏は、脱原発だけで脱原子力が果たせるわけではないとし、脱原子力を完結させるための同省の今後の取り組みを発表した。
ドイツの脱原発が決まってからも、ドイツではEUや世界中の原発稼働停止などを求めて、反原発デモが行われている(2016年撮影)
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福島第一原発で最大規模の原発事故が起きた2011年3月11日は、ドイツにとっても節目になった。それまでは、進んだ高度の技術を持つ国にとり原発は制御可能と思われていたのだが、この事故は高度技術先進国である日本で起きたからだ。メルケル首相は事故直後に、国内の全ての原発の安全点検と古い原発7基の一時稼働停止を命じた。そして連邦議会は6月30日に、連邦参議院は7月8日に、2022年までの段階的な脱原発を決めた。ドイツの脱原発の現状はどうなっているのだろうか。
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