ロシアへの過大なエネルギー依存 ー ウクライナ危機で窮地に立たされるドイツ

ロシア軍による激しいウクライナ侵攻が2ヶ月も続いており、まだ終わりが見えてこない。欧州連合、特にドイツは、以前から石炭、原油、天然ガスなどの化石燃料をロシアから大量に輸入しており、今その代金がロシアの重要な軍資金となっていると言われている。そのため、ロシアからの化石燃料の輸入を減らすか、あるいは完全に断ち切るかが大きな政治的な問題になっている。輸入禁止は可能か、完全に禁止した場合にはどのような弊害が起きるのか、ドイツでの議論を中心にお伝えする。 続きを読む»

ドイツでも増えている、ウクライナからの避難民

2月24日にロシア軍がウクライナに侵攻してからすでに1ヶ月以上が経った。欧米諸国などからの再度の停戦の呼びかけを無視し、ロシア軍はウクライナ各地で砲撃やミサイルなどによる攻撃を続けている。ベルリンに住んでいると、この戦争が近くで行われていると、ひしひしと感じる。毎日のように、ウクライナから多くの避難民が来ているからだ。

目的地はどこなのか。ベルリン中央駅で一休みするウクライナからの避難民。小さな子供を連れた女性がとても多い。

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悲しいお知らせ

2011年8月の「みどりの1kWh」創設時からのメンバーで、今年3月に米寿を迎えた私たちの仲間、永井潤子さんが4月4日に亡くなりました。

途中メンバーに変更があり、2018年8月からは少し形を変えて、このサイトを続けていくことにした際に、永井さんは次のように自己紹介していました。

私はもう84歳、体力も”脳力”も落ちていますが、40年以上ドイツの政治を観察してきた者として、脱原発の実現を見届けたいという気持ちが強く働きます。「時代の証言者」になるまで、元気でいたいと願っています。

最後にこのサイトに載った永井さんの記事は「ドイツの原子炉さらに3基停止、グンドレミンゲン村の様子」で、ドイツの脱原発が完了まであと一歩のところまで近づいていることが書かれています。また、そのもう一つ前の記事は「首都ベルリンに初の女性市長誕生」で、永井さんが生涯重視してきた女性の社会進出に関するものでした。

ウクライナ戦争については、「21世紀にこんなひどい戦争が起こるなんて考えてもみませんでした。ショルツ(首相)がこれまでの政策を180度変え(戦闘地域に武器を送ることに決め)たのも仕方のないことだったと思っています」というメールが3月4日に病床からありました。何も知らないでシベリアからウクライナ戦争に引っ張り出されたロシアの若い兵士たちに同情する一方、劣った武器でも、自分の国を守ろうとするウクライナの人たちの抵抗とロシア人たちの目覚め、特に兵士の母親たちの抵抗に望みをかけていると書いていました。また、「間も無く去らなければならない世界が素晴らしければ、去りにくいですが、プーチンのこんな世界からは、さっさとおさらばしたくなります」ともありました。このことがこんなに早く本当になるとは、思いもしませんでした。

残った私たちは、永井さんが居なくなり大黒柱を失ってしまったような気持ちですが、出来ることなら、ドイツの脱原発が完了するまで、このサイトを続けたいと思っています。どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。

編集室より

 

ドイツの二酸化炭素排出量、2021年は増加

flickr©️Rainer Ralph

2045年までにカーボン・ニュートラルになることを決めているドイツで昨年、二酸化炭素の排出量が一昨年に比べて4.5%も増えてしまった。2020年はコロナ禍のためにロックダウンなどが導入され、人の移動が減り、経済活動も低下したのだが、それが2021年にはほとんど元に戻ったこと、そして強い風の吹く日が少なかったことが影響した。これで、2021年のドイツの二酸化炭素排出量は、1990年比でマイナス38.7%に留まった。

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核戦争が現実味を帯びる中、ベルリンで「かざぐるまデモ」

十年一昔というが、 十年以上経っても忘れられない事や、忘れてはいけない事がある。その一つが、2011年3月11日に起きた東日本大震災と、それがもたらした福島第一原子力発電所の事故だ。事故から11年目となった今年も、ベルリンでは3月5日、原発や核兵器に反対する「かざぐるまデモ」が行われた。その直前にロシアがウクライナに侵攻し、核戦争が現実味を帯びるなど、緊張した空気の中でのデモとなった。

コロナ感染状況が良くないこともあり、参加者はあまり多くなかったが、その分演説も落ち着いて聞けて、充実した集会となった。

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来るだろうか、コロナ予防接種の義務化

世界中の人々が心待ちにしていた新型コロナウイルス感染症に対するワクチンが、驚くほどの速さで2020年11月に完成してから1年以上が経つ。ドイツでは既に昨年7月末から、希望さえすれば誰でもワクチンの接種が受けられるようになった。そして市民のワクチン接種率は夏に50%を超えた。しかしそれ以後は、伸び悩むようになってしまった。そのため、予防接種の義務化が議論されている。予防接種に反対する人が少なくないドイツで、果たして接種が義務になるだろうか。

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