ケルン事件の衝撃 — 追い詰められるメルケル首相

今年のドイツの新年は大事件で始まった。例年の大晦日の晩のように、ドイツ各地の街では、大勢の市民が 近づく新年を祝うために、あちこちの路上や広場に集まり花火を打ち上げたりシャンパンで乾杯したりしていた。そのころ、ライン河畔の大都市ケルンの中央駅前広場には、およそ1000人のほろ酔い気分の若い男性たちが集まっていた。彼らの多くは中東もしくは北アフリア出身と見られた。彼らは、その広場に居合わせていた、あるいはそこを通ろうとした若いドイツ人女性を取り囲み、盗難を働いたり性的嫌がらせをした。この事件は、これからのドイツの難民政策の転機に繋がることになるかもしれない。 続きを読む»

ヒトラーの『わが闘争』注釈付き新版発行

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ナチスドイツの独裁者、アドルフ・ヒトラーの著書『我が闘争』の注釈付き新版が新年早々売り出され、国際的にも大きな反響を呼んでいる。この本の著作権が昨年末で切れるとあって、ミュンヘンの「現代史研究所」が約3年前に同書の制作プロジェクトを立ち上げ、このほど出版にこぎつけたものである。 続きを読む»

飢餓は、政治的な暴力

buch_1a牛肉の大量生産が環境汚染及び温室効果ガス排出の原因となっていますが、市場経済システムにおいては更に貧困や飢餓の原因につながるというマルティン・カパロス氏の話に興味を持ちました。マルティン・カパロス氏はアルゼンチン出身の作家で、数年にわたり、世界10カ国を旅して、10億人の人々が、なぜ飢餓に苦しんでいるのかを分析し『飢餓(El Hambre)』にまとめました。今回、ドイツ語の翻訳が出版されたのにあたって、ドイツの公共ラジオ局(ドイチュランドフンク、DLF)は同氏にインタビューしました。

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新年のご挨拶

迎春皆さま、新年おめでとうございます。

新しい年、2016年は、去年1年間だけで100万人もの難民を迎えたドイツにとって厳しい年になることが予想されます。ドイツでは毎年大晦日に、首相が新年に向けての挨拶をテレビ・ラジオを通じて行います。2015年の大晦日メルケル首相は、「2015年、ドイツは稀に見るチャレンジを受けました。価値観、伝統、法秩序、言葉を共有する我々の社会に、これだけ多くの人々を統合するには、長い時間と多くの努力、多額の資金を必要とします。しかし、難民の統合に成功すれば、ドイツの将来にとって経済的にも社会的にも大きなチャンスになります」と楽観的な見方を示しました。そしてメルケル首相は挨拶の最後に、彼女のトレードマークのようになった「我々はそれをやり遂げます」という言葉を繰り返し、「なぜならドイツは強固な国だから」と付け加えました。

2016年はまた、チェルノブイリ原発事故から30年、福島原発事故から5年にあたるため、原子力について改めて考えるべき年とも言えるでしょう。さまざまな点で世界の注目を集めるドイツについて、ベルリンに暮らす私たち、20代から80代までの7人の女性たちは、今年もエネルギー転換の現状をはじめ、政治や社会の実情、あるいは文化的な出来事についても日本の皆さまの目に届きにくい新しい情報をお伝えしていくつもりでおります。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。      緑の魔女一同

ベルリン国際映画祭と難民

 

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第66回ベルリナーレのポスター

第66回ベルリン国際映画祭が2016年2月11日から2月21日まで開かれる。12月4日には映画祭のオープニング作品が発表、数日前にはコンペ部門の作品の第1回目の発表が行われた。これから、映画祭に向けての情報が続々と発表される予定だ。 続きを読む»

天国の広告 — 苦心するドイツ大使館

まるで天国の広告のような文章がソーシャルメディアで広まり、効果を上げていた。それはアフガニスタンやシリアで、ドイツがまるで夢の国であるかように描写され、それを真に受け、高いお金を密航斡旋業者に支払ってでもドイツに向かう若い青年らが後を絶たなかったことだ。各国在のドイツ大使館は、誤解の訂正と正しい情報の提供に苦心している。ベルリンの日刊紙「ターゲスシュピーゲル」が報道している。

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