ドイツに住んでいて「この国は凄い」と思うことが時々ある。この国の憲法であるドイツ連邦基本法の第一条、第一節に書かれている「人間の尊厳は不可侵である。これを尊重し、かつ、これを保護することは、全ての国家権力の義務である。 」という文章が、机上の空論でなく、実際に行政が取るべき行動の規範として機能しているからだ。そして国民の間には、この人間の尊厳ということに関し、コンセンサスが得られている。
政府が果たして基本法に従った政治を行っているかどうか(例えば、国内のある法律が人間の尊厳を傷つけることはないか)を判断するのはドイツ連邦憲法裁判所の役割であるが、その憲法裁判所がこのほど、政治的な理由で保護を求めて、あるいは内乱から身の危険を守るためにドイツにやって来た外国人たち(亡命者や難民)への生活保障給付金の給付額が、国内の生活保護受給者の受け取る額に対し大幅に少ないことは、人間の尊厳を傷つけるという理由で違憲の判決を下した。日本では昨今、生活保護受給者に対し不当なバッシングが起きているというニュースをしばしば耳にするが、日独両国間に存在する、人間一人一人の尊さ(尊厳)に対する捉え方の相違を感ぜずにはいられない。
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長年ベルリンに暮らす“6人の魔女たち“が、日本に住む人たちのためにドイツの脱原発のプロセスや再生可能エネルギーについての情報を伝える日本語のサイトを立ち上げたのは、去年の8月15日だった。福島原発の事故による放射能の危険について、日独のマスメディアの報道に大きな違いがあったこと、また、日本に住む日本人とドイツに暮らす私たちの間の原 発に対する意識に大きな温度差があったことなどから、自分たちもドイツの多彩な情報を日本の人たちに伝えたいと願ってのことだった。実際に被害を受けた人 たちはなるべく被害を過小評価したいという心理が働くものだが、私たちは遠くに離れているからこそ、過酷な原発事故の現実を直視することができるのではな いか、との思いもあった。
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「原発がないと経済や産業が成りたっていかない」とか「自然エネルギーで電力需要をまかなうというのは非現実的」と信じている人が、日本ではいまだに多いようだ。しかし、ドイツにはさまざまな科学的知見と最高水準の技術を生かして複数の再生可能エネルギーを複合的に利用し、“エネルギー自治“に成功している市町村がすでにいくつもある。具体例として模範的な緑の村、南ドイツ・バイエルン州のヴィルトポルツリート(Wildpoldsried) 村を紹介する。
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7月5日に国会 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会が、同23日に政府事故調査委員会が最終報告を公表したのを受け、日本の新聞雑誌ではこの2つの報告に加え、東京電力と民間のもの、計4つの報告を比較する記事が多く見られるようだ。7月6日の南ドイツ新聞は、5日の国会事故調査委員会の国会での最終報告について、「罪と無知−調査報告によれば、福島原発事故は日本政府と東電の責任」という大きな記事を掲載した。事故から9日後に空中から撮影された、福島原発の痛々しい写真も大きくあり、”廃墟の風景”というキャプションがついている。
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7月29日の日曜日の午後、「アンティ・アトム・ベルリン(Anti Atom Berlin)」が、日本での国会包囲行動に連帯するデモを行うことになっていた。ところが、ベルリンは朝からバケツをひっくり返したような雨。この豪雨にいささか気勢をそがれたが、雨天決行ということなので、降りしきる雨を恨めしく思っていた。しかし、ベルリンはころころと天気が変わるので、午後には何とかなるかと思っていたら、やはり午前中に雨はやみ、気温もデモにはちょうど良い感じになってきた。
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誰も知らない、10万年も昔に地下に設置された核廃棄物貯蔵施設を、資源のありかを探る最先端のボーリング機が偶然掘り当ててしまい、放射性物質が地下水や辺り一面を汚染したとしたら! そんなことが将来起こるのを、今の私達はどうすれば防ぐことが出来るのだろうか。10万年も放射能を放出し続ける核廃棄物の貯蔵場所を、将来の世代に伝えるにはどうしたら良いのか。その問題を考える学者たちが、このほどダブリンに集まり意見を交換した。7月18日付けのベルリンの日刊紙「ターゲスシュピーゲル(Der Tagesspiegel)」が報道している。
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