確かに下がる原発依存率

連邦統計局の2013年7月2日発表によると、ドイツでは昨年も再生可能電力の生産量が増え、電力総生産量の22.1%を占めた。これはドイツ政府が脱原発を決定した前の年、つまり福島の原発事故が起きる1年前に当たる2010年の16.4%に比べて5.7%増になる。これに並行して原子力発電の割合は昨年16.1%となり、2010年比で6.3%減っている。昨年のドイツの電力総生産量は617.6 TWhだった。 続きを読む»

シェーナウの奇跡、反原発の市民運動から生まれたエコ電力供給会社 3)

mitarbeiter1_011986年4月26日、チェルノブイリで起こった原発事故をきっかけに南西ドイツの小さな町、シェーナウで生まれた市民運動。その市民運動が大きなうねりとなり、多くの困難の後、シェーナウ電力会社(EWS, Die Elektrizitätswerke Schönau)が設立され、1997年7月1日、EWSはシェーナウの町への電力供給を開始した。市民が電力供給の権利を手にしたドイツ最初のケースだった。EWSは今ではドイツ全土の13万戸以上に自然エネルギーのみによる電力を供給する電力会社に発展したが、その経営方針は、今でも市民運動の理念に基づいている。 続きを読む»

シェーナウの奇跡、反原発の市民運動から生まれたエコ電力供給会社 2)

シェーナウの町議会が、これまで町への電力供給の権利を独占してきたラインフェルデン電力供給会社(KWR)の金銭的に有利な申し出を受け入れ、KWRとの再契約を前倒しで結ぶことを決定したのは1991年7月8日のことだった。市民運動側は今後20年間もKWRの独占体制が続くことに猛反発し、ただちにこの決定に異議を唱え、「町議会の決定を無効にするための住民投票を行うよう」要求した。彼らはすでに「自分たちで電力会社をつくり、KWRから電力網を買い取る」準備を始めていたが、この住民投票は、民主的な手続きに従って目標を実現するための長い、困難な闘いの始まりに過ぎなかった。

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ますます広がるドイツの再生可能エネルギー地域

会議で配布された資料など

ドイツが再生可能エネルギーを推進するにあたって、大きな原動力となっているのが、地域レベルの取り組みだ。昨年の秋にドイツ中部のカッセルで開催された「100%再生可能エネルギー地域」会議に参加したのでその内容を踏まえ、ドイツの再生可能エネルギー自立地域の取り組みの状況をレポートする。 続きを読む»

シェーナウの奇跡、反原発の市民運動から生まれたエコ電力供給会社 1)

みなさんはシェーナウという言葉を耳にしたことがおありだろうか?ドイツ南西部、リゾート地として有名なシュヴァルツヴァルト(黒い森)地方の人口2500人ほどの小さな町、シェーナウは、今ではドイツ内外の環境保護派の間で知らない人がないくらい有名になった。27年前、1986年4月26日に起こった、チェルノブイリ原発事故をきっかけに反原発運動をはじめたこの町の市民たちが、今では再生可能電力のみを全国に提供する電力会社を経営するまでになったためだ。

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歴史的な妥協? 放射性廃棄物最終処分施設に関する超党派の合意

「最終処分施設に関する歴史的な妥協」、「最終処分施設探し、新規開始」といった見出しの記事が4月10日、ドイツの多くの新聞の一面トップに掲載された。前日、ドイツ連邦政府や州政府代表など、超党派の政治家たちが集まった会議で、長年先延ばしにされてきた高レベル放射性廃棄物の最終処分施設に関する合意が生まれたためだ。 続きを読む»