ノルウェーの石油エネルギー相とドイツの連邦経済相はこのほど、「ノルウェーとドイツ政府は長い交渉の結果、両国間に約600kmの送電用海底ケーブルを敷設することで合意した」と発表した。2018年に完成すると、ノルウェーとドイツの送電網が海を越えて繋がるようになり、両国間で電力の融通が可能になる。ドイツは将来、北海の洋上風力発電パークで生産した電力のうち、余った分を一時ノルウェーに送電して揚水発電用*に蓄えてもらい、風が吹かず電力の不足する際には電力に戻して送り返してもらうことを望んでいる。一方、水の豊富なノルウェーは、ドイツが脱原発後にノルウェーの水力で発電するきれいで安定した電力を多量に受け入れることに期待をかけている。総工費は15億から20億ユーロ(約1500億から2000億円)と見込まれ、両国で折半出資することに決まった。
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ドイツの4大送電網運営会社が先ほど提示した送電網開発計画案によると、同国が進めているエネルギー転換のために新設されなくてはならない高圧送電網は3800kmで、既存だが近代化が必要となる高圧送電網は4000km、そのために掛かる費用は200億ユーロ(2兆円)になる。北海やバルト海に計画されている洋上風力発電パークを、2022年までに接続するための送電網には、さらに120億ユーロ(1兆2000億円)が必要となり、総額は320億ユーロ(3兆2000億円)に達する。膨大な金額ではあるが、年々再生可能エネルギーの支援に支払われる金額が約140億ユーロ(1兆4000億円)であることを考えると、それほどかけ離れた額でないことが分かる。
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一年前に決定した脱原発・エネルギー転換が思うように進まないドイツで、アンゲラ・メルケル首相が少し腰を挙げた。5月23日に首相府でドイツ16州の州首相と会談し、これからは定期的に この集まりを半年ごとに開催、 エネルギー転換の進展を評価し、政府と州との間のコーディネーションを計るという。経済界などからはエネルギー省の設立を希望する声も挙がっているが、メルケル首相は「ドイツ国内に原子力発電所がある間は、原発の管理はエネルギー政策とは切り離して環境省が、送電網や原発以外の発電所の建設、管理は経済省が行うべきだ」と発言、エネルギー転換の舵取りは自分がしていく方針を明らかにした。 続きを読む»
ドイツにある17基ある原子炉のうち8基が停止されたのは、ほぼ1年前のことでした。でも、それで原子炉が消えたわけではありません。シュピーゲル誌(2012年4月18日の記事「原発解体をためらう電力会社」)によると、運営者であるエネルギー供給会社は、それどころかまだ廃炉の申請もしていなく、反原発運動家たちから批判が出ているそうです。
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脱原発反対派やドイツの大手エネルギー・コンツェルンRWEやE.on社などは、脱原発のプロセスが進んだら、温室効果ガスが増加し、気候温暖化に著しい悪影響をもたらすと主張してきた。しかし、去年、福島原発事故の3カ月後に脱原発の方針を決定し、17基のうち8基の原発の操業を停止したドイツで、温室効果ガスが減少したことが明らかになった。 続きを読む»
ドイツで標榜されているエネルギー転換の重要な柱となるべき洋上風力発電パークの送電網への接続が大きな問題になっている。ドイツの4大送電網運営会社の一つであるテネットが、接続に必要な膨大な資金を調達できないと表明し、接続に関わる損害補償の責任も引き受けられないとしているからだ。国の援助が避けられないようだ。 続きを読む»