ドイツは外国の原子力電気を必要としない
フライブルクに本拠を置くエコ研究所(Öko-Institut)は1月31日、「ドイツ脱原発の、近隣諸国との電力交換にもたらす影響」という研究の結果を発表しました。簡単にまとめると、2011年3月にドイツで原発8基が停止された後、外国からの電力輸入量は増えておらず、「ドイツの脱原発は隣国から原子力発電による電力を輸入しているから可能である」という主張も間違っているというものです。 続きを読む»
フライブルクに本拠を置くエコ研究所(Öko-Institut)は1月31日、「ドイツ脱原発の、近隣諸国との電力交換にもたらす影響」という研究の結果を発表しました。簡単にまとめると、2011年3月にドイツで原発8基が停止された後、外国からの電力輸入量は増えておらず、「ドイツの脱原発は隣国から原子力発電による電力を輸入しているから可能である」という主張も間違っているというものです。 続きを読む»
アルトマイヤー独環境相が再生可能エネルギー優先法(EEG)の一部修正を提案し、ドイツで大きな話題になっている。この法律はドイツの再生可能電力の固定価格買取り(FIT)の基礎で、一般的に、最近の電気料金高騰の主因とされるため、批判が収まらないからだ。しかしこの提案は、単なる選挙対策だという声もある。
ドイツが昨年隣接国に輸出・提供した電力は過去最高で、隣接国から輸入・受容した電力を230億kWh上回った。ドイツ全国エネルギー・水利経済連盟(BDEW)の発表による。これは前年2011年の80億kWhの約3倍に相当し、今までの過去最高だった(原発8基停止以前の)2008年の223億kWh以上になる。国外に流れる電力には通常対価が支払われ輸出となるが、この中には無償で国外に流れた電力や、逆に対価を支払って外国に受け入れてもらった電力も含まれるため、一概には喜べない。このような利益に繋がらない余剰電力は、気候差で発電量が大きく揺れる太陽光や風力による再生可能電力のために、ドイツの送電網が一時的に計画外の電力で満杯になった際に発生する。
福島の原発事故3ヶ月後の2011年6月にドイツは脱原発を決定した。どうしてドイツはあれほど素早く脱原発が決定出来たのだろうか。第一の理由は、同国に反原発運動の長い歴史があり、国民が脱原発を望んでいることにあると思う。第二の理由は、電力市場が自由化されていることと、再生可能エネルギーを促進する「再生可能エネルギー優先法」が2000年以来存在することだろう。第三は、ドイツの送電網が隣接国の送電網と繋がっており、お互いに電力を融通出来ることだと考える。これらについては今までにもみどりの1kWhで何度か書いてきたが、今回、もう一つの理由を見付けた。それはドイツに充分な予備の発電能力があることだ。一般には話題になっていなかったが、政策を決定する政治家たちは充分承知していたのだろうと察する。
日本の友人との会話を再現しつつ、ドイツの脱原発についての、日本人のよくある疑問に答えるこのシリーズ。今回は「脱原発を決めた政治家が批判された?」「ドイツはフランスの『原発電気』を買ってる?」「日本はドイツ人にはどう見える?」にお答えしたいと思います。
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今回から「みどりの1kWh」に加わった「新人魔女」の私。ベテラン魔女たちと比べると、ドイツ在住歴が浅く、知識も語学力もまだまだです。でも、そのぶん、日本のメディアにはよくアクセスし、日本とドイツの状況について比べたり、ベテラン魔女たちにあれこれ質問したりしています。さて、今年春に、日本に里帰りしたとき、たくさんの友だちがドイツについて質問してきました。「ドイツは脱原発を決めてうらやましいな」「でもあれって、フランスの原発があるからできることなんでしょ?」などなど。そしてここ数ヵ月、日本語のメディアやネット上の書き込みで、「ドイツの脱原発はうまく行ってない」という論調のものをよく見かけるようになりました。友人たちとの会話や日本語メディアを見て、「あれ、日本人はドイツの脱原発について誤解をしてる……?」と思うことが増えています。そこで、日本の友人との会話を再現しつつ、ドイツの脱原発についての、日本人のよくある疑問に2回に渡って答えてみたいと思います。 続きを読む»