「風車に蓄電」は「鬼に金棒」

windpark 1日本ではエネルギー政策面においてドイツの現状に関心が強いと聞いています。中には両国を比較して、コンクールの審査員のように評価点を出すオモシロイ人もいるそうですが、こちらではエネルギー政策とは、いつまでにどの目的に達するかが重要であり、競争ではなく共通の目的を実現するための共同事業と考えています。今回ご紹介したいのは日米独、3カ国の技術を利用した無風状態が続く場合の蓄電システムです。 続きを読む»

再生可能エネルギー優先法の改正

ドイツ連邦議会は6月27日、「再生可能エネルギー優先法(略称: 再生可能エネルギー法、EEG)」の政府改正案を賛成多数で承認した。EEGの抱える問題点を解決するためガブリエル連邦経済・エネルギー相(社会民主党)が提案した政府の改正法案は、4月8日に閣議決定された後連邦議会で審議されてきた。今回承認されたのは、審議の結果、細部で一部変更された政府案である。第3次メルケル政権(キリスト教民主・社会両同盟と社会民主党の大連立政権)が脱原発実現のために取り組んだ今回の「エネルギー改革」の内容は、さまざまな分野に影響を与えるため各方面の注目を浴び、賛否両論の激しい論議を呼んでいた。連邦議会に続き、7月11日に開かれる連邦参議院も通過すれば、議会が夏休みに入る前に法案が成立し、当初の予定通り今年8月1日付で発効されることがほぼ確実になった。EEGの改革がなぜこれほど急がれるのか、改正法でなにがどう変わることになるのか、これまでの経過を振り返って、問題点を探ってみる。 続きを読む»

原発輸出に待った! ドイツ政府、保証を打ち切りに 

「自分の国では脱原発を決めながら、海外に輸出し続けるとは何事か」という批判があったドイツ。ドイツ政府はこれまで、民間企業が原発を輸出する際に貿易保険で保証をしてきましたが、これにようやくストップがかかるようです。

続きを読む»

ドイツで火力発電減少、再生可能電力は需要の27%カバー

褐炭を燃やす火力発電の増加が主な理由で2013年に二酸化炭素の排出量が増えたドイツで、2014年の第1四半期に火力発電が大幅に減少した。これに対し再生可能電力がドイツの電力需要総量に占める割合は全体の27%に上昇した。ドイツ全国エネルギー・水利経済連盟(BDEW、Bundesverband der Energie- und Wasserwirtschaft)の発表による。 続きを読む»

どうする?ドイツの原発の後始末

写真: Manfred U.

写真提供 Manfred U.

5月12日発売のシュピーゲル誌は、ドイツのエネルギー大手E.on, RWE, EnBWの3社が、2022年まで原発を運営し、その後の廃炉と核のゴミの処分を総合して行う公的基金創設を提案し、連邦政府と秘密裏に話し合っていると伝えました。それ以来、この話題がドイツのマスメディアをにぎわしています。 続きを読む»

ドイツのエネルギー転換を「失敗」と言うのは妄言

「地球温暖化にはもう疑う余地がない」、「温暖化は人間が作ったものだ」。このほど横浜で開催された第38回気候変動に関する政府間パネル(IPCC) 総会からのメッセージは、今この地球に住む我々一人一人への(2007年に続く再度の)警鐘で、温暖化ガスの削減は我々に課せられた義務と言える 。 エネルギーの需要を出来るだけ多く自然エネルギーで賄い、化石燃料の燃焼で増える温暖化ガスの発生を減らそうというドイツで進められているエネルギー転換は、その方向に向かっての努力なのだが、これを既に「失敗だ」と決めつける日本のメディアがこのところどうも増えているように見受けられる。短絡的に、しかも目先のことしか考えないと、そういう結論が出てくるのかもしれない。

続きを読む»