ベルリン国際映画祭『フタバから遠く離れて第二部』 - 舩橋監督に聞く

Atushi Funahashi

舩橋淳監督

2012年のベルリン映画祭で「フタバから遠く離れて」が上映されたが、それから3年後の今年、2012年12月から2014年8月、18カ月にわたって撮影された「フタバから遠く離れて第二部」もベルリン映画祭にやって来た。前作から3年、事態はどのように進展したのか、避難を余儀なくされた人々の暮らしはどうなったのか。この映画が描き出す現実は、ベルリンの観客の心を揺さぶった。 続きを読む»

感動的なシーンで終わった今年のベルリン国際映画祭

taxi

金熊賞を受賞した「タクシー」 © Berlinale

ベルリン国際映画祭(ベルリナーレ)コンペティション部門のグランプリ、金熊賞は、予想外の作品に与えられることが多いと言われてきたが、今年は下馬評通りの作品が栄冠に輝いた。受賞作品発表の場でダーレン・アロノフスキー審査委員長が「金熊賞は、厳しい制限の下で作られた、芸術的インスピレーション溢れた作品に…」と言い始めただけで、会場内に歓声の声が沸き起こった。それが、イランのジャファル・パナヒ監督の「タクシー」を意味することは明らかだったからだ。 続きを読む»

環境への影響が分かるドイツの電気料金明細書

ドイツの電気料金明細書には、電力会社の使用している電源の内訳や、1kWhあたりの発電時のCO2排出量、そして放射性廃棄物の発生量が示されている。これは、エネルギー経済法(EnWG: Energiewirtschaftsgesetz)という法令によって、電力会社が消費者にこれらの情報を示すことを義務付けられているためだ。 続きを読む»

「ドイツの良心」、フォン・ヴァイツゼッカー元大統領の死

Weizsaecker

フォン・ヴァイツゼッカー元大統領

1月31日、土曜日のベルリンは雪に覆われていた。前夜のうちに降り積もった雪で木々は樹氷のオブジェとなり、白一色の雪景色はとても美しかった。そんな「天の贈り物」を眺めて幸せな気分になっていた時、青天の霹靂のようにリヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー元大統領の訃報が伝えられた。歴史的な洞察力と卓越した言葉の力で多くの人の尊敬を集めてきたドイツの偉大な政治家の死に、外国人の私も意外なほどのショックを受けた。 続きを読む»

「カレーの天使」

640px-Calais_Harbourフランス北部の都市カレー、その郊外にある森の中で野宿する難民たちに電気を提供し、しかも節電できたというマダム・リップスをめぐる番組がありました。第1ドイツテレビ(ドイツ公共放送連盟ARD)のニュース番組「ヴェルトシュピーゲル」で紹介されたこのルポには「カレーの英雄」というタイトルが付いていました。

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