脱原発後の責任問題決着

福島で原発事故が起きてからもうじき6年が経つ。ドイツは、福島の事故を契機に2022年末までに原子力発電所を完全に停止し、脱原発することを決定している。そして原発停止後の廃炉、解体及び廃棄物処理に関する責任を決める法律が昨年12月15日と16日に連邦議会と連邦参議院で可決されて成立した。法律の名称は「 核廃棄物処理の責任に関する新秩序法(Gesetz zur Neuordnung der Verantwortung in der kerntechnischen Entsorgung)」。4月に施行の見込みだ。 続きを読む»

ドイツ人を楽しませた多和田葉子さんのクライスト賞授賞式

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記者会見での多和田葉子さん

ベルリン在住の作家、多和田葉子さんが、2016年度のドイツの権威ある文学賞、クライスト賞を受賞したことは、日本のマスメディアもすでに伝えたと思う。授賞式は11月20日の日曜日、午前11時から劇作家、ベルトルト・ブレヒトゆかりの劇場、「ベルリーナー・アンサンブル」で行われた。形式的で退屈な授賞式とは全く異なり、内容の濃い、文化的な催しが計画されていて、会場を埋めたドイツ人たちは大喜びだった。日本語とドイツ語で旺盛な作家活動を続ける多和田葉子さんのクライスト賞受賞の模様を、今年最後の記事としてお届けする。 続きを読む»

消費者に朗報 ー 電力の卸売価格上昇で、電気料金低下

ドイツの消費者が支払う電気料金が、これから2、3年後には下がる見込みだという。ドイツの中堅銀行であるメッツラー社のエネルギー企業専門アナリストの評価による。主な理由は、現在ドイツ市場に溢れている余剰電力のために下落しきっている電力の卸売価格が、2、3年後には電力の総供給量の減少に伴い、 回復することだ。消費者による電力消費量の増加が、卸売価格の上昇に更に拍車をかけることも考えられるという。

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ドイツ連邦政府の脱原発は合法

12月6日、ドイツ連邦憲法裁判所は、脱原発を早めたことで損害を被ったとして大手3電力会社が連邦政府に対して求めていた賠償請求を、一部認める判決を下した。一方で同裁判所は、2011年のドイツ政府の決定を合法と認めた。

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「クリーン・カウ・プロジェクト」でメタンガス削減

のどかな牧場で牧草を食べている牛がゲップをする度に、実はメタンガスを排出していることをご存知だろうか。牛は1頭当たり1日に500リットルものメタンガスを排出するという。メタンガスは、同じ量の二酸化炭素に比べて気候温暖化効果が20倍もあるとされる。そこで、地球を温暖化から守るために、牛のゲップを減らす「薬」、メタンガス・ブロッカーの開発が進んでいる。

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