ヨーロッパのエネルギー転換事情

このところヨーロッパ各国からエネルギー転換に関するさまざまなニュースが伝わってくる。欧州連合(EU)では、2030年までのエネルギー転換・気候温暖化対策である「クリーン・エネルギー・パッケージ」を成立させるため、目下、欧州委員会、加盟国政府、ヨーロッパ議会の3者の間で議論が進められている。そんななかで、先月伝わってきたエネルギー転換に関するいくつかのニュースをご紹介してみる。 続きを読む»

甦るかディーゼル車

ドイツの自動車部品メーカー最大手であるボッシュが、ディーゼル車の排出する酸化窒素を極端に減らすことに成功したと発表した。酸化窒素は気管支疾患や心臓病の原因になるが、ドイツの一部都市や地域では、空気中の酸化窒素の値が世界保健機関(WTO)の定める上限を超えるところも多く、その大きな原因であるディーゼル車の走行禁止は止むを得ないのではないかと心配されていた。また、フランスなどは2040年以後のディーゼル車の発売禁止を発表しており、ディーゼル車はその将来さえも危ぶまれていた。 続きを読む»

IMO、貨物船の二酸化炭素排出量を、2050年までに2008年比で50%削減

国連機関の一つである国際海事機関(IMO、International Maritime Organisation)はこのほど、船舶による海運のために生じる二酸化炭素の排出量を、2050年までに2008年比で50%削減することを決めた。この目標を達成するためには、2030年代から新たに導入される世界のコンテナ船などの過半数が、再生可能エネルギーなどで操業されるゼロエミッション船でなければならないという。ただ、この協定には強制力がなく、また「出来る限り早期に、二酸化炭素排出量のピークに達すること」という副文が付いており、排出量はこれからもまだ当分は増えるようだ。 続きを読む»

ドイツ、減りつつある二酸化炭素排出量

ドイツの 二酸化炭素排出量は2017年、前年より470万トン減って、合計で 9億470万トンになった(前年比0.5%減)。排出量減少に大きく貢献したのは発電部門。これに対し交通部門と工業部門では好景気を反映して排出量が増えた。ドイツ連邦環境庁の速報による。 続きを読む»

資源小国ポルトガル、再生可能エネルギーで大奮闘

化石燃料資源を持たない資源小国のポルトガルは、長年、輸入エネルギーによる大幅な貿易赤字に悩まされてきた。しかし、ポルトガルはヨーロッパの中でももっとも太陽に恵まれた国であり、水源も豊富で、海岸線も長く、オフショア風力発電にも適している。そうした自然の好条件に着目したポルトガル政府は、イベリア半島最大のオフショア風力発電所を作るなど、10年近く前から多様な再生可能エネルギーの推進プロジェクトを強力に押し進めてきた。その結果、早くも今年3月には、1ヶ月分の電力の総需要の100%以上の電力を再生エネルギーによって生産することができたという。 続きを読む»

VW、工場の発電を石炭から天然ガスへ切り替え

トヨタと世界1、2の地位を争うドイツ最大の自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)は、同社工場の自家発電を石炭火力から天然ガス火力に切り替える。そのための投資額は4億ユーロ(約520億円)。その結果、年間約150万トンという膨大な量の二酸化炭素の排出が避けられるという。建設工事は今年中に開始し、2021〜2022年に完成する予定だと発表している。 続きを読む»