なるか仏フェッセンハイム原発の廃炉

フランスのニコラ・ユロ環境相はこのほど、フランスの有力紙「フィガロ」とのインタヴューで、ドイツの国境から遠くないフェッセンハイムにあるフランス最古の原発の廃炉に関し、「4月中にも廃炉の予定表を発表する」と語った。この発言は、これまで同氏が語っていたことより大きく前進した内容で、関係者の注目を集めている。フランスで原発支持者が減ってきていることも、この発言の背景にいくらかあるようだ。

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ようやく成立した第4次メルケル政権

3月14日、水曜日の午前9時からドイツ連邦議会では、連邦首相選出の選挙が行われ、アンゲラ・メルケル氏(63歳)が4度目の連邦首相に選ばれた。これを受けてメルケル首相を含む16人の閣僚たちは、大統領府でシュタインマイヤー連邦大統領の任命を受け、その後さらに連邦議会での宣誓式に臨んだ。昨年9月24日の連邦議会選挙から171日目にして、ようやく新政権が成立したのだ。政権の樹立にこれだけ長い時間を必要としたのは、1949年のドイツ連邦共和国設立以来初めてのことである。連邦議会と連邦大統領にとって注目すべき日となったこの日の様子を、メディアの論調も含めてお伝えする。 続きを読む»

ようやく第4次メルケル政権樹立の見通し

難航していたドイツの新政権樹立へのプロセスは、ドイツ社会民主党(SPD)が最後のハードルを超えたことにより、一気に前進した。昨年9月24日の連邦議会選挙から6ヶ月近く経って、ようやく来週、第4次メルケル政権が成立する見通しとなった。最近の動きを振り返る。 続きを読む»

ディーゼル車の走行禁止は可能

ドイツの連邦行政裁判所は2月27日、ディーゼル車の排出する酸化窒素に関して、「空気中の酸化窒素が欧州連合(EU)の定める限界値を越さないために、都市などの地方自治体が、特定のディーゼル車に対して走行禁止を命ずることは許される」という 判決を下した。しかし裁判官は、走行禁止により過酷な状態が発生することを避けるよう注意を促し、例えば段階的な走行の禁止を導入するなど、 釣り合いの取れた措置をとるように提案した。ディーゼル車の走行禁止については、昨年夏にシュトゥットガルトの行政裁判所が「ディーゼル車の市内の走行禁止も認める」という判決を下して以来、ドイツで大きな懸案となっていた。 続きを読む»

ドイツ人にとってフクシマは過ぎ去ってはいない

東日本大震災、そして福島第一の過酷な原発事故から間もなく満7年を迎える。ここベルリンでは3月10日に原発反対の風車デモがSayonara Nuks Berlin主催で行われるが、ドイツ各地で原爆・原発反対の集会やさまざまな催しが計画されている。福島での原発事故をきっかけに2022年までの段階的な脱原発を決定したドイツでは、福島原発事故に対する人々の関心が高いが、ドイツ人の中には「あのような大事故を実際に起こした日本が、原発の再稼働を進めるのはまったく理解できない」という声が少なくない。最近では、押し寄せる難民問題を抱えるドイツで、「福島の支援より国内の難民問題を優先せざるを得ない」という人たちも増えている。そんな中でも7年前から福島の子どもたちのために多額の募金活動を続ける人たちがいる。 続きを読む»

問題をはらむ新しい連立政権のエネルギー政策

メルケル首相が党首を務めるキリスト教民主同盟(CDU)とその姉妹政党であるキリスト教社会同盟(CSU)、それに国政第2党の社会民主党(SPD)は、2月7日、新たに、いわゆる大連立政権を樹立することで合意し、177ページにわたる連立協定を発表した。その中でエネルギー問題については3ページが費やされ、再生可能エネルギー促進の野心的な目標が示されている。実際に第4次メルケル政権が成立し、そのエネルギー転換政策が実施されて、再生可能エネルギーが今以上のスピードで増えると、目下計画されている送電網敷設計画では十分ではなくなると、関係者は問題視している。 続きを読む»