ドイツの女性参政権100年の記念式典でスピーチするメルケル首相©️Bundesregierung/Steins
「ツバメが1羽飛んで来たからといって、夏が来たことにはなりません。私が首相だからといって、男女平等が実現しているわけではありません。社会の各分野で完全な男女平等を実現するべきですが、そのためにさらに100年待つようなことがあってはなりません」。こう強調したのは、この13年間、ドイツの連邦首相の地位にあるアンゲラ・メルケル首相で、並みいる女性たちから拍手喝采をあびた。11月12日にベルリンの歴史博物館内のホールで開かれたドイツの女性参政権100年を祝う記念式典でのことだった。 続きを読む»
ドイツの重要なエネルギーの研究機関である「AGエネルギービランツ」はこのほど、今年の9月末までのドイツの二酸化炭素の排出量は、種々のデータをまとめると、前年の同時期に比べて7%減ったと見られる、という喜ばしい結果を発表した。ドイツの経済は成長しており、人口も欧州連合(EU)圏内からの移住や難民の受け入れでまだ増え続けているのだが、エネルギーの消費が前年同期比で約5%減ったことが理由だという。AGエネルギービランツは、信頼される研究機関で、この機関の発表する数値は、通常ドイツ政府も計算の基礎として使っている。 続きを読む»
不快なだけでなく、海洋に悪影響を与えるプラスティックのゴミ©️NABU /Felix Paulin
青い海と白い砂—遠くからは美しい砂浜に見えても、歩いてみるとペットボトルやビニール袋、割れたおもちゃのカケラなど、プラスティックのゴミがあちこちに散乱していて、がっかりするということが増えてきた。世界中の海岸に打ち上げられたゴミの85%はプラスティックのゴミだという。そしてその半分以上は、ストローや使い捨ての食器だそうだ。年々増えるプラスティックのゴミは、景観を損なうだけでなく、海洋生物や生態系にも悪影響を与える深刻な問題だ。こんな現状を改善するために、使い捨てプラスティック製品の販売を禁止することなどを決めた基本方針が、欧州議会で10月24日、欧州理事会(加盟28カ国の代表で構成)ではその一週間後の10月31日に、承認された。
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28年もの長い間東西ドイツを分断していた「ベルリンの壁」が、思いがけなく事実上崩壊したのは、1989年11月9日の夜のことだった。当時旧東ドイツの改革を求める市民のデモが高まりを見せていたなか、東独の政治局員が記者会見でおこなった間違った発言がきっかけとなって、東西の境界線検問所に多数の東ベルリン市民が押し寄せた。混乱を恐れた検問所の係官は、検問所を開放せざるを得なくなったのだ。11月9日、ドイツは「ベルリンの壁」崩壊の29回目の記念日を迎えた。 続きを読む»
10月30日、ドイツ中の新聞が一面トップにメルケル首相の大きな写真を載せた。ほとんどが前日のベルリンでの記者会見の写真を載せた中で、首都ベルリンの新聞「ベルリーナー・ツァイトゥング」は、彼女がキリスト教民主同盟(CDU)の党首に就任した直後の2001年の写真と前日の写真の二つを並べて掲載した。同じくベルリンで発行されている新聞「ターゲス・シュピーゲル」は、彼女が連邦青年女性相に就任した1991年の写真のみを載せたが、キャプションには「アンゲラ・メルケルは30年近く我々と共にあった」と書かれていた。前日の10月29日、メルケル首相は18年間務めたCDUの党首を辞任すると発表したのだった。ドイツ各紙のさまざまな論調をご紹介する。 続きを読む»
ドイツの会計検査院はこのほど、「経済界と市民への過大な負担にも関わらず、ドイツのエネルギー転換はその目的をほとんど達成していない」という非常に厳しい特別報告書を連邦議会に提出して、注目を浴びた。地球温暖化ガスの削減、省エネ、エネルギーの効率化、交通分野での再生可能エネルギーの活用などで、ほとんど進歩が見られないというのだ。 続きを読む»