トヨタを抜いて、現在世界最大規模の自動車メーカーになっているドイツのフォルクスワーゲン(VW)が、同社の生産する電気自動車の割合を、2030年までに40%に上げるという内部ペーパーが表に出て以来、大きな波紋を巻き起こしている。欧州委員会(EU)がこのほど最終決定した、「2030年の時点に許容される新車の二酸化炭素排出量を、2021年比でマイナス37.5%とする」という高い目標値を達成するためには、他の道がないからだという。しかし、電気自動車は果たして環境に優しいのだろうか、本当に環境保護に貢献するのだろうか。 続きを読む»
ベルリンはデモのメッカだ。家賃高騰に反対するデモ、安全な自転車レーンの敷設を求めるデモ、公共交通機関職員の賃上げ要求デモ。犬の飼育の規則が厳しくなるのに反対して、犬がデモをしたこともあった。ベルリンのどこかで、毎日一つはデモが行われているように感じていたが、その予想は大外れだった。2018年は平均すると、なんと1日に12件もデモが行われたそうだ。そんな数多くあるデモの中で、今、最も注目されているのが、毎週金曜日に生徒たちが温暖化対策を求めて行うデモ、「Fridays for Future (未来のための金曜日) 」だ。
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今年のドイツの冬は例年になく暖かかった。気温が零度以下になることはほとんどなく、2月には、各地で日中の最高気温が20度近くになる日が続いた。これも地球温暖化の影響だろうか。地球の平均気温を上昇させないためには、二酸化炭素の排出量を削減することが緊急の課題となっているのだが、ドイツ人は、この二酸化炭素を回避するために、どれほどの代金を払っているのだろうか。ケルンにあるドイツ経済研究所(IW、Institut der deutschen Wirtschaft)が面白い報告書を発表している。再生可能電力と電気自動車の導入でそれぞれ回避される二酸化炭素とそれに掛かる費用を提示し、二酸化炭素1トン当たりの代金を計算しているのだ。
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東日本大震災による福島第一原発の事故が起きてもうすぐ8年目という3月9日、ベルリンの中心部にあるブランデンブルク門前のパリ広場に、黄色い風車を手にした人たちが300人ほど集まった。脱原発や反原発を訴えるためだ。通称「かざぐるまデモ」と呼ばれるこのデモは7年前から毎年、ベルリン在住日本人たちが作る「Sayonara Nukes Berlin(さよならニュークスベルリン)」が中心になって行われており、デモに参加する人たちが風車を持って行進することになっている。今年のスローガンは、「フクシマは警告する。世界中で脱原発を!(Fukushima mahnt: Atomausstieg weltweit!)」だった。フクシマから遠く離れたベルリンで行われたこのデモに、どんな思いが込められていたのかー。主催者や参加者の声を届けたい。
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「パリテート法」の成立を喜ぶブランデンブルク州議会の女性議員たち©️Landtag Brandenburg
2019年1月31日は、ドイツの女性史上画期的な日となった。この日、ベルリンをとりまくブランデンブルク州の州議会が、政治的に完全な男女平等を目指す「パリテート法」を採択したのだ。パリテートというのは、同等とか同じ割合という意味で、この法は「候補者均等法」と訳せるだろうか。この法律が効力を生じるのは2020年6月だが、それ以降はブランデンブルク州議会選挙に候補者を立てる全ての政党が、比例代表のリストに男女同数の候補者を立てなければならなくなる。ドイツでこうした法律を制定したのは、この州が最初である。しかし、この法律が成立したことが、さまざまな波紋を投げかけている。 続きを読む»
3月8日は国際女性デーで、ベルリンでも女性たちによる、もしくは女性たちのための様々な催しが行われるが、今年はいつもより多くの人が参加するかもしれない。というのも、ベルリンでは、今年から3月8日が祝日になり、仕事も学校も休みになるからだ。
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