ドイツ、「国家水素戦略」を決定

ドイツ政府はこのほど、半年以上前から予定されていた「国家水素戦略」を決定、発表した。水素は、消費の際に地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出せず、用途の幅が広く、運搬と貯蔵も比較的容易で、将来のエネルギー源として世界中の工業国から大きな期待が寄せられている。地球上に無限に存在し、枯渇の心配がないことも魅力的だ。国家水素戦略は、コロナ危機による景気の落ち込みの回復を目指すドイツ政府の景気対策・経済振興策の一環として6月初頭に発表され、70億ユーロ(約8400億円)という巨大な規模のものだ。

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ドイツ、2038年までの「脱石炭」を閣議決定

現在の工程表では2038年にこのノイラート褐炭火力発電所 など7つの発電所が止まり、脱石炭が実現する©️RWE

1月29日ドイツ連邦政府は、2038年末までに褐炭と石炭による火力発電から撤退することを決めた法律を閣議で承認した。ドイツでは2022年末までに脱原発を行うことが決まっているが、それに続いて「脱石炭」も決めたことになる。

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仏フェッセンハイムの原発停止、どうやら本当⁉︎

フランスのフィリップ首相はこのほど、2018年のマクロン大統領の「エネルギー転換に関する10年計画」に示されたように、フランスで最も古い原発であるフェッセンハイム原発の原子炉第一号機をこの2月22日に、第二号機を6月30日に停止すると強調した。ライン川を挟んでドイツの国境からわずか100メートルも離れていないこの原発は、1977年の操業開始以来40年以上が経っており、何度も大小の事故を起こしているため、フランスやドイツ、そしてスイスの環境保護団体、またドイツ政府からも、1日も早く停止するように求められてきた。ただ、フランスはこの廃炉で完全な脱原発に踏み切るわけではない。現在フランスの発電量の72%を占める原発の割合を、2035年までに50%に下げる計画を立てているのだ。

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2019年の「不愉快な言葉」大賞に「環境ヒステリー」

ドイツでは毎年1月に、ドイツ語学研究者らが、過去1年間に耳にすることの多かった「不愉快な言葉」を選出する。「2019年の不愉快な言葉」大賞は「環境ヒステリー(Klimahysterie)」に決まった。昨年は、グレタ・トゥーンベリさんが発端の地球温暖化対策を求める生徒たちのデモ「Fridays for Future」が大いに盛り上がり、多い時には全国で何十万人もの生徒らが授業を休んでこのデモに参加した。それをサポートする「Scientists for Future」も誕生した。そしてドイツ政府は、これらに応じるかのように脱石炭や環境対策を決めた。市民や政治家たちが、こうして熱心に環境問題に取り組むことを批判する時に、頻繁に使われたのがこの「環境ヒステリー」という言葉だった。

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進むドイツの脱原発 ー また一基稼働停止

昨年大晦日で40年の歴史を閉じたフィリップスブルク原発©️EnBW/Daniel Meier-Gerber

ドイツ南西部、バーデン・ヴュルテンべルク州にあるフィリップスブルク原発2号機が計画通り2019年12月31日をもって、永遠に稼動を停止した。2号機(加圧水型原子炉)は、1984年12月に運転を開始し、35年間にわたって電力需要の多いこの地域に電力を提供してきた。最後の段階では、この地域の電力需要の6分の1をカバーしていたという。1979年に稼動を開始した古い1号機(沸騰水型原子炉)は、すでに福島原発事故直後の2011年3月17日に稼動を停止しているため、フィリップスブルク原発は、ここに40年の歴史を閉じたことになる。ドイツは2011年の福島原発の過酷事故の後、2022年までの段階的脱原発を決定した。当時は17基の原発があったが、これで稼働中の原発は残り6基となった。 続きを読む»

2019年のドイツの電力生産、再生可能エネルギーがトップ!

新年早々、嬉しいニュースが飛び込んできた。2019年を通してみた時、風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる発電量が、褐炭、石炭、天然ガスなどの化石燃料による発電量を初めて超えたというのだ。年末には原発も一基停止し、ドイツで稼働中の原発はあと6基となった。これらの事実は、ドイツでエネルギー転換が着実に進んでいることを示している。

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