今年ほど世界各地で気温が50度前後まで上昇したり、大規模な山火事が 起きたりしたことは過去になかったのではないだろうか。世界各地で大豪雨があったり、大規模な洪水が発生したりしたのも今年だ。ドイツも例外ではなく、ノルトライン・ヴェストファーレン州やラインラント・プファルツ州は7月に大変な豪雨と洪水に見舞われ、町や自然が荒らされ、200人近い人達が命を落とした。ドイツの気候学者たちを含む国際的な研究者グループは、このほど、この大災害が気候変動に帰することにはほとんど疑いがないと分析した。また、このような災害が繰り返される可能性も大きくなったと指摘した。しかし、このような出来事に対してできることが全く無い訳ではないと、ドイツ公共第一テレビ(ARD)の報道番組「コントラスト」が8月26日に伝えた。石炭火力発電を止めれば良いのだという。
現在の予定では、2038年まで稼働することになっているノイラート褐炭火力発電所 ©️RWE
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バッテリーを搭載して電気モーターで走るメルセデス・ベンツののトラックeActros©️Daimler AG
ドイツの自動車大手ダイムラー(本社シュトゥットガルト)のメルセデス・ベンツ・トラックス部門はこのほど、秋から初の大型電気トラッ クのシリーズ生産に入ると発表した。物資の運搬に欠かせない大型トラックは通常ディーゼルエンジンで走行しているが、エンジンの容量が大きいために排ガス量も多く、環境によくないとされる。しかし、トラックの電動化のためには、乗用車とは比較にならない特別大きくて重いバッテリーが必要となるため、今までは量産が難しいとされていた。 続きを読む»
ドイツの最高裁判所である連邦憲法裁判所は4月29日、ドイツの現行の「気候保護法」で定められている温室効果ガスの削減目標値は、「次世代に過度に負担をかけることになるので、より長期的な目標値を設定するべきである」という判断を示した。 違憲抗告したのは、有効な気候温暖化対策を求める若者たちのグループ「Fridays for Future (FFF、未来のための金曜日)」の9人などで、現行の法律では、次世代の「自由の権利」が侵されると訴えていた。連邦憲法裁判所が気候保護に関する判断を下したのは、今回が初めてのことだ。秋に連邦議会選挙を控えたドイツで、気候問題が最も重要なテーマの一つになってきた。
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日本と同じように、地球の温暖化を避けるために 2050年までの「カーボン・ニュートラル」を宣言しているドイツは、昨年、二酸化炭素の排出量を1990年比で40.8%削減した。これでドイツは、独自に立てていた「 二酸化炭素の排出量を2020年に1990年比でマイナス40%にする」という削減目標を達成したことになる。ドイツ連邦環境庁がこのほど発表した『2020年度気候保護報告書』で明らかになった。
電力大手RWE のノイラート褐炭火力発電所 ©️RWE AG
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2011年3月の福島第一原発の事故をきっかけに、ドイツは原発と決別することを決めた。現在まだ6基の原発が稼働しているが、来年の年末までに、全ての原発が停止することになっている。しかし、ドイツ連邦環境•自然保護•原子力安全相のスヴェンニャ•シュルツェ氏は、脱原発だけで脱原子力が果たせるわけではないとし、脱原子力を完結させるための同省の今後の取り組みを発表した。
ドイツの脱原発が決まってからも、ドイツではEUや世界中の原発稼働停止などを求めて、反原発デモが行われている(2016年撮影)
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福島第一原発で最大規模の原発事故が起きた2011年3月11日は、ドイツにとっても節目になった。それまでは、進んだ高度の技術を持つ国にとり原発は制御可能と思われていたのだが、この事故は高度技術先進国である日本で起きたからだ。メルケル首相は事故直後に、国内の全ての原発の安全点検と古い原発7基の一時稼働停止を命じた。そして連邦議会は6月30日に、連邦参議院は7月8日に、2022年までの段階的な脱原発を決めた。ドイツの脱原発の現状はどうなっているのだろうか。
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