やめるべき飛行機旅行

ドイツでは今年初めから、まだ学校に通う大勢の生徒たちが、毎週金曜日に授業を休んで地球温暖化対策を求めるデモ「Fridays for Future (未来のための金曜日) 」に参加し、盛り上がっている。「私たちの未来を奪わないで」と訴える彼らの声は大人たちにも届き、地球温暖化の最大の原因とされる二酸化炭素の削減は、政治的にもますます重要な課題となってきた。乗り物の中で二酸化炭素を最も多量に排出するのが飛行機だという事実と意識が一般に広まりつつあり、飛行機に乗るのは気が引ける、恥ずかしいという意味の「Flugscham(飛行機に乗ることの恥)」という言葉までできた。しかし、夏休みが始まってみると、どの空港も休暇に出る人たちで、例年以上に混雑している。皆はなぜ、飛行機に乗ることがやめられないのだろうか。どうすれば、飛行機の利用を抑えことができるのだろうか。活発なディスカッションが始まっている。

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原発稼働延長? ノーサンキュー!

ドイツ人が今、最も憂慮するテーマは気候変動問題だと言う。背景には、猛暑と干ばつの酷かった昨年のドイツの夏があるようだ。この冬もこの春も、気温は例年になく高く、雨も雪もほとんど降らずに、地面が極度に乾燥している地方は多い。そして市民は、これを気候変動の影響だと受け止めている。そこに、ドイツでも昨年末から始まった生徒たちによる気候変動対策の強化を求めるデモ、「Fridays for Future(未来のための金曜日)」が拍車をかけている。ここにきて、気候変動防止のために、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素をほとんど排出しない原子力発電の稼働延長を支援する声も聞こえてくる。原発を操業している電力会社はどう考えているのだろうか。

©️flightlog

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政府の環境・気候保護対策は、落第点!

ベルリンの学校では、昨年8月20日から始まった一年が終了し、6月20日に夏休みに入った。その前に通信簿を受け取らねばならず、ちょっと憂鬱な気分の生徒もいただろう。いつもは成績をつけられる側の生徒だが、毎週金曜日にドイツ各地で生徒たちが行っているデモ、「Fridays for Future」(FFF) のベルリンの現場で、「ドイツの温暖化対策 6、倫理 6、責任感 6」と書かれた通信簿風のプラカードを見かけたことがあった。6というのは、ドイツでは落第点だ。しかしこのプラカードを作成した生徒だけでなく、実は一般のドイツ市民も、ドイツ政府の環境・気候保護対策について厳しい評価を下していることが、5月28日に発表された「2018年環境意識調査」で明らかになった。

「2018年環境意識調査」では、現在の環境への取り組みは不十分と市民がみなしていることがわかった。

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来るか、二酸化酸素税の導入

米ハワイ島の海抜3397メートルのマウナ・ロア山に位置するマウナ・ロア気象観測所でこの5月11日、415.26 ppmという大気圏の二酸化酸素の濃度が観測された。地球温暖化の主な原因である二酸化炭素のこのような高い濃度は、300万年以来存在しなかったという。この事実は、我々が世界規模で二酸化炭素の排出量を大幅に抑えなければならない必然性を目の当たりに示している。ドイツではこのところ、二酸化炭素削減のために「二酸化酸素税」を導入することの是非が話されている。

©️ Ian Britton

 

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電気自動車は本当に環境に優しいのか

トヨタを抜いて、現在世界最大規模の自動車メーカーになっているドイツのフォルクスワーゲン(VW)が、同社の生産する電気自動車の割合を、2030年までに40%に上げるという内部ペーパーが表に出て以来、大きな波紋を巻き起こしている。欧州委員会(EU)がこのほど最終決定した、「2030年の時点に許容される新車の二酸化炭素排出量を、2021年比でマイナス37.5%とする」という高い目標値を達成するためには、他の道がないからだという。しかし、電気自動車は果たして環境に優しいのだろうか、本当に環境保護に貢献するのだろうか。 続きを読む»

二酸化炭素1トンの価格はいくら?

今年のドイツの冬は例年になく暖かかった。気温が零度以下になることはほとんどなく、2月には、各地で日中の最高気温が20度近くになる日が続いた。これも地球温暖化の影響だろうか。地球の平均気温を上昇させないためには、二酸化炭素の排出量を削減することが緊急の課題となっているのだが、ドイツ人は、この二酸化炭素を回避するために、どれほどの代金を払っているのだろうか。ケルンにあるドイツ経済研究所(IW、Institut der deutschen Wirtschaft)が面白い報告書を発表している。再生可能電力と電気自動車の導入でそれぞれ回避される二酸化炭素とそれに掛かる費用を提示し、二酸化炭素1トン当たりの代金を計算しているのだ。

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