ドイツの二酸化炭素排出量、2021年は増加
2045年までにカーボン・ニュートラルになることを決めているドイツで昨年、二酸化炭素の排出量が一昨年に比べて4.5%も増えてしまった。2020年はコロナ禍のためにロックダウンなどが導入され、人の移動が減り、経済活動も低下したのだが、それが2021年にはほとんど元に戻ったこと、そして強い風の吹く日が少なかったことが影響した。これで、2021年のドイツの二酸化炭素排出量は、1990年比でマイナス38.7%に留まった。
2045年までにカーボン・ニュートラルになることを決めているドイツで昨年、二酸化炭素の排出量が一昨年に比べて4.5%も増えてしまった。2020年はコロナ禍のためにロックダウンなどが導入され、人の移動が減り、経済活動も低下したのだが、それが2021年にはほとんど元に戻ったこと、そして強い風の吹く日が少なかったことが影響した。これで、2021年のドイツの二酸化炭素排出量は、1990年比でマイナス38.7%に留まった。
昨年は温暖化のために、世界各地で前代未聞の気温の上昇、大規模な山火事、激しい豪雨や洪水など数々の大災害が起きた。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、これ以上の温暖化の悪影響を抑えるためには、温室効果ガス(主に二酸化炭素)の排出 量を減らし、2050年までにカーボンニュートラルになることしかない。つまり、化石燃料の使用をできるだけ早くやめ 、替わりに再生可能エネルギーの利用を高めれば良いのだが、再生可能エネルギーは今のところまだ十分な量が確保できていない。そこで、二酸化炭素の排出量が少ないとされる原子力発電が再び脚光を浴びるようになってきた。ただ、原発は果たして地球の温暖化防止、人類の将来に貢献できるだろうか?
2011年3月の福島第一原発での過酷事故の直後、当時のドイツのメルケル政権は、段階的な脱原発を決定し、その行程表に従って当時17基あった原子炉の稼働停止を着々と進めてきた。昨年暮れには、北ドイツ、シュレスヴィッヒ・ホルシュタイン州のブロックドルフ、ニーダーザクセン州のグローンデ、それに南ドイツ、バイエルン州のグンドレミンゲンの3基の原子炉が稼働を停止した。最も新しく、最後に残った3基(北ドイツの1基と南ドイツの2基)も、今年年末までに稼働を停止する予定で、それとともにドイツの原子力エネルギー利用の時代は終わりを告げることになる。今回は稼働停止した3基の一つ、グンドレミンゲン原発についてお伝えしたい。 続きを読む»
ドイツは2011年に、フクシマの事故を契機に2022年末までの段階的な脱原発を決定した。そして2020年には、2038年までの 脱石炭火力発電を、今年6月には、2045年までの脱炭素化社会(カーボン・ニュートラル)達成も決めた。ところがこの10月12日に、フランスのマクロン大統領は原発のルネッサンスを提案した。ドイツではそれをきっかけに、エネルギー政策についての議論が高まっている。
ドイツでは現在稼働している6基の原発のうちの3基が今年末までに、残りの3基が来年の年末までに停止することが決定している。そのため、「原発は過去のもの」という意識が市民の間で定着している。そんな中でお隣りの国、フランスのマクロン大統領は、小型モジュール原子炉の開発に投資を行うと発表し、ドイツとフランスの原発政策の違いをまざまざと見せつけた。
ドイツの連邦議会選挙があと1週間後に迫って きた。今回は47もの政党がこの選挙に臨むのだが、実際に接戦を繰り広げているのは、現在すでに議席を持つ6政党だ。どの党も30%を超すような高い得票率は達成できないと予想されるため、選挙後に2党ではなく3党による連立政権が成立する可能性が高く、いく種類もの組み合わせが考えられる。そんな中、各党は今回の選挙で最も重要なテーマである気候問題に関して、どのような対策を公約しているのだろうか。ベルリンにあるドイツ経済学研究所(DIW)が調べた。