映画「嘆きの天使」はドイツ初のトーキーで、マレーネ・ディートリッヒを一挙にスターダムに押し上げた1930年の映画である。原題はDer blaue Engel、直訳すれば「青い天使」。ところで現代の「青い天使」をご存じだろうか。環境にやさしい製品の目印として1978年に誕生し、今ではドイツだけではなく国際的にも広く消費者に認知されている。この「青い天使」マークをつけた文房具類、再生紙だけを用いた紙製品、持続可能な森林経営を目的にした森林管理協議会(FSC、Forest Stewardship Council)の認定を受けた商品だけを扱っている店がベルリン・ミッテ地区に誕生した。
続きを読む»
投票所である日本大使館がある「ヒロシマ通り」。「何だか変なシールが貼ってある」と思ったら、それは「Atomkraft? Nein, Danke!(原子力おことわり)」という反原発シールでした。
12月16日(日)は、日本では衆議院選挙の日ですね。私たち「みどりの1kWh」の関心事であるエネルギー転換も争点の一つとなっているこの選挙。ベルリン在住の私もすでに投票をしてきました。「え? 国外に住んでいても投票できるの?」と驚かれる方もいるかもしれませんね。そうなんです。日本には、海外在住の日本人も投票できる「在外選挙制度」というものがあります。嬉しいシステムではありますが、実際投票したり、周囲の日本人と話したりしてみて、「この制度、もうちょっと簡略化できないかな……」とも感じました。
続きを読む»
2013年1月1日からの電気料金値上げが11月中旬、ドイツのほとんど全ての電力供給会社から一斉に発表された。値上げは、遅くとも6週間前までに発表し、郵便で顧客に伝えるべし、とする条例があるからだ。来年1月からの値上げの6週間前は11月20日で、期限が切れるのは真夜中だ。しかし例えば、ドイツ北部をカバーする大手の電力供給会社であるファッテンファルがAさんに値上げをメールで伝えたのは20日の夜中の23時53分、Bさんにメールが着いたのは真夜中を過ぎた2時46分だった。郵便を21日に受け取った顧客も少なくないようだ。そこでこの際、値上げは無効なのではないかと喜ぶ声があがっている。ファッテンファルの値上げ幅はとびきり大きく約13%。便乗値上げも疑われるからだ。
続きを読む»
記事「ドイツ風電気料金高騰への対処」で、再生可能エネルギーの賦課金が来年は約50%上がり、電気代が高騰することを書いた。10月15日、正式に2013年の賦課金が発表され、現行の1kWh当り3.59ユーロセントから5.28ユーロセントに引き上げられた。上げ幅は予想通り50%弱で、再生可能エネルギー優先法賦課金(EEG-Umlage)に対する批判の声が上がっていることも、このサイトで記されている。ところがどっこい、EEG-Umlage(再生可能エネルギー賦課金)をもじってEEG-Umlüge(「再生可能エネルギー法賦課金をめぐる嘘」とでも訳せばよいだろうか)を掲げたデモが、2013年の賦課金値上げの正式発表を目前に控えた10月13日、連邦首相官邸前で行われた。ドイツ全国風力エネルギー連盟(Bundesverband WindEnergie)が主催したデモである。
続きを読む»
新党「国民の生活が第一」の代表、小沢一郎氏を中心とする日本の国会議員団(松崎哲久、牧義夫、岡島一正衆議院議員、森ゆうこ参議院議員)が10月16日から20日までドイツを訪問した。ドイツの脱原発と再生可能エネルギーの実情視察のためで、17日と18日は「黄金の十月」の紅葉が美しい首都ベルリンに滞在、ドイツの政治家たちや再生可能エネルギー協会の代表などエネルギー関係者たちと話し合ったり、近郊の大規模太陽光発電施設を視察したりした。ベルリン在住の記者たちにも取材のチャンスが与えられたので、私もその一部に参加した。小沢氏の脱原発の本気度を、この目で確かめたいと思ったからである。個人的なことだが、実は私は中学時代の一郎氏を知っている。今回の取材は、一郎氏の新たな一面を知る機会ともなり、印象深いものとなった。
続きを読む»
ベルリンでは9月後半、東日本大震災と原発事故関連のチャリティーコンサートや講演会が立て続けに催された。まず、9月16日の日曜日、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーによる「相馬子どもオーケストラ」設立支援コンサートが開かれ、その1週間後の23日には福島の代表を迎えて「福島の子どもたちの内部被曝を考える」という講演会が、ベルリンの市民団体主催で開催された。さらに26日の水曜日、フィルハーモニー近くの教会では、東日本大震災で親を失った子どもたちを支援するためのコンサートシリーズがスタートした。これら3つの催しについて、個人的な感想を含めてお伝えする。
続きを読む»