脱原発とドイツのエネルギー協同組合

ケルンにあるクラウス・ノヴィ研究所(Klaus Novy Institut)が、ドイツ連邦環境省の委託を受けて、協同組合とエネルギー経済に関する研究調査を行った。エネルギー協同組合は歴史的に見れば、まだ送電網が完備されていなかった時代に孤立していた地方の電力供給を確保するために組織されたが、やがて市の運営する電力会社へと発展していった。しかし、公営の電力会社が民営化へと追いやられた時代を経て、電力の自由化とともに再びエネルギー協同組合が復活してきた。さらに再生可能エネルギー優先法(EEG)、脱原発への転換がエネルギー協同組合の設立に追い風となった。 続きを読む»

東部ドイツで太陽が沈む?

危険な核エネルギーに代わるクリーンなエネルギーとして一段と重要性が高まっている太陽光発電、特にこの10年あまりのドイツでのソーラー産業の発展はめざましいものがあった。しかし、国の手厚い自然エネルギー促進政策に守られて一時期世界のトップ企業にのし上がったソーラー関連の各企業が、最近では中国製の安いソーラーパネルとの競争に敗れて次々に失速、業績不振や倒産に追い込まれている。さらに政府の太陽光発電促進政策の見直し、補助金の大幅カットが追い打ちをかけ、倒産企業は増える一方だが、その結果、ただでさえ産業構造の基盤の弱い旧東ドイツ地域が大きな打撃をこうむることが憂慮されている。東部ドイツ各州が特にソーラー産業の育成に力を入れてきたからである。 続きを読む»

「日本は、実は歴史上最大の脱原発を成し遂げている」

びっくりするようなタイトルが目に飛び込んできた。確かに、日本にある54基の原子力発電所のうち、現在唯一稼動している泊原子力発電所3号基が5月5日に定期点検のため停止すれば、日本は事実上「脱原発」を成し遂げたことになる。オンラインで再生可能エネルギーに関するビジネス情報を配信しているドイツの「再生可能エネルギー国際経済フォーラム(IRW, Internationales Wirtschaftsforum Regenerative Energien)」は、現在の日本の状況をこのような見出しで言い表している。  続きを読む»

ドイツの太陽光発電促進政策の見直し

南の国々にくらべて太陽に恵まれない(特に冬は日照時間が短い)ドイツは、もともと太陽光発電に適した国とは言えないが、そのドイツでソーラー・パネルが増え続け、世界のトップの位置を占めるようになったのは、国の自然エネルギー促進政策のおかげである。ドイツは自然エネルギーによる発電を促進するため、2000年(社会民主党と緑の党が連立を組んだシュレーダー政権のもとで)再生可能エネルギー法( Gesetz für den Vorrang erneuerbarer Energien. 略称EEG)を施行(その後何度か改正)、太陽光など自然エネルギーによる電力を固定価格で買い取る制度を導入してきた。これまでは発電開始時の固定価格で20年間、全量の買い取りが保証されてきた。また、ソーラー・パネルの設置にあたっては、補助金や有利な融資も行なってきた。こうした魅力的な条件と国民の自然エネルギーへの意識の高まりのため、ソーラー・パネルを取り付ける個人や太陽光大型プロジェクトの数は年々増え続け、最近はソーラー・パネルの値下がりの影響もあって、特に過去2年間に新規パネルの設置が驚異的に増加した。国の手厚い政策は太陽光発電の普及とソーラー産業での雇用の増大には貢献したが、その反面、マイナス面もいろいろ指摘されるようになった。

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映画「イエロー・ケーキ」上映のショック

3月11日が近づき、ベルリンでも東日本大震災を追悼・記念するさまざまな行事が催されている。ベルリンのハインリッヒ・ベル・財団は原発問題を考える映画上映と討論会を2月末以降何回か行なった。私はmidori1kwh.deの他の仲間とともに2月27日に行なわれた映画の上映と討論会にまず参加した。東京の杉並・高円寺の商店街の若者たちが始めた「原発やめろ!デモ」 をテーマにしたユリア・レーゼ監督とクラリッサ・ザイデル監督の映画「ラディオアクティヴィスト」上映の後、日本から来た吉田明子さん(FoE, Friends of the Earth Japan) のフクシマの現状報告、フランスの原子力専門家、マイケル・シュナイダー氏、ドイツ・緑の党の連邦議会女性議員、ベアベル・ヘーン氏、 ドイツ連邦環境・自然保護連盟(ドイツのFoEに相当するBUND)のヘルベルト・ヴァイガー代表らのパネル・ディスカッションが行なわれた。日本の事情にも詳しいヨーロッパの専門家たちの熱のこもった議論に圧倒されたが、ドイツ在住の日本人運動家からは「楽しげな反原発デモも良いけれど、1国民が深刻な放射能の危険に脅かされている時に、もっと過激な核廃絶を求める運動をしてほしい」という意見も述べられた。

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