「終わってなんかいない!」 - 原発震災1年に当たって

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3月11日、福島の原発震災から一年が過ぎようとしている。日本では全国各地で脱原発のアクションが行われるようだが、ドイツをはじめヨーロッパの国々でも、「終わってなんかいない!」、「福島からの警告」という標語を掲げて、福島に思いを馳せ、原子力エネルギー利用に反対する多くの抗議行動が予定されている。以下、ドイツおよびヨーロッパ各地で行われるデモを、「福島は警告する」のサイトからまとめてみる。

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第62回ベルリン映画祭を振りかえる 1 - 今年の金熊賞は審査員の「面白い決定」?

零下10度前後の寒さのなか、2月9日から開かれていた今年のベルリン映画祭は、いくらか寒さも和らいだ19日の日曜日、市民のための「映画デー」で11日間の華やかな幕を閉じた。世界3大映画祭の一つであるベルリン映画祭の特徴は、観客と監督や俳優など、制作関係者との間の対話が重要視されている点で、期間中市内各地の多くの会場で映画上映後観客と監督との間で熱心な質疑応答が行なわれるのが習わしとなっている。特に若い作家の実験的な作品を集めたフォーラム部門で、その傾向が強い。また、毎年痛感するのは、ベルリン映画祭当局が「タレント・キャンパス」などを通じて、世界中の若手映画制作者を育てる組織的、継続的な努力をしていることで、そうした活動を多額の助成金で支援するドイツ連邦政府の文化政策にも好感を抱く。世界中の映画関係者、愛好家が地元のベルリン市民とともに映画の醍醐味を味わうこの映画祭の雰囲気が私にはとても気に入っているのだが、ベルリン映画祭は社会性の強い作品、政治的なテーマの作品が集まることでも知られている。従って映画祭の期間中、世界中が抱える複雑な問題に集中的に目を向けることにもなるので、とても疲れる映画祭でもある。だが、毎年、この「映画の祭典」が終わった後、疲労困憊しながらも自分の世界が少し広がったような充足感を覚えるのも、また事実なのだ。

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ベルリン映画祭で上映された「Nuclear Nation」

今年のベルリン国際映画祭で上映された3本の原発関連の映画(「Nuclear Nation」、「friends after 3.11」、「無人地帯」)のうち、とくに心に残った舩橋淳監督の「Nuclear Nation」と同監督へのインタビューについて書いておきたい。ベルリン国際映画祭の2日目にあたる2月10日、「Nuclear Nation」がワールドプレミアとして上映された。19時半からの上映開始にあわせて19時に会場に到着したが、すでにかなり長い列ができていて、この映画に対する関心の高さが伝わってくる。会場入口付近には、舩橋監督もすでに姿を見せていた。

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ベルリン映画祭で見た原発映画

今年のベルリン映画祭が終わった。多くの映画を見て、「今年の映画祭を貫く赤い糸は変革」と言ったディレクターの言葉を実感しているところである。「アラブの春」をとらえた映画や、オキュパイ・ウォールストリート運動の根底にある不公平な社会への怒りをテーマとする映画が数多く上映されたが、原発に関連する映画が日本からのドキュメンタリーも含めて上映された。舩橋監督の「Nuclear Nation」については別の記事で詳しく書いたので、ここではフォルカー・ザッテル監督の「アンダー・コントロール」と「シルクウッド」を取り上げる。

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第62回ベルリン映画祭を振りかえる 2 - 日本映画を中心に

今年のベルリン映画祭での私たちの最大の関心事は、なんといっても東日本大震災関係の3本のドキュメンタリー映画を見ることだった。フォーラム部門に招かれた3本のうち、やはり1番強く印象に残ったのは、舩橋淳監督の「ニュークリア・ネイション」だった。この映画と舩橋監督とのインタビューについては、ベルリン映画祭で上映された「Nuclear Nation」を読んでいただきたいが、私の感想もひと言付け加えておきたい。

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今年のベルリン映画祭を貫く「赤い糸」は、変革または激変

2月9日、零下10度という厳しい寒さの中、第62回ベルリン国際映画祭が始まった。19日までの11日間、コンペティション部門、パノラマ部門、フォーラム部門、ジェネレーション部門、回顧展などの各部門に今年も世界各国から約400本の作品が参加している。

毎年、映画祭全体に通じるテーマを探すのに苦労しますが、今年は難しくありませんでした。今年の映画祭の「赤い糸」は、変革または激変で、参加映画の多くが多かれ少なかれ、変革に関係しています。

ベルリン映画祭ディレクターのディーター・コスリック氏は、1月31日に行なわれた国際記者会見で、こう語っていた。

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