パリの風刺週刊新聞襲撃事件に対するドイツの反応−3

パリの襲撃事件から1週間経った1月13日の夕方、ドイツ統一のシンボルとなっているブランデンブルク門前のパリ広場で、静かだが感動的なシーンが展開された。ドイツ・ムスリム中央評議会とベルリン・トルコ人協会が主催した、イスラム過激派のテロと外国人排斥に抗議する警告集会に、ドイツの大統領をはじめ、首相や政府閣僚、各政党代表、ユダヤ教徒代表などを含む約1万人(警察発表)が参加し、それぞれ言論の自由を守る決意を表明するとともにドイツ社会でのイスラム教徒との平和的共生を強調したのだ。ドイツのイスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒たちがこのような形で肩を並べてテロに抗議し、寛容な社会を守る意思を表明したのは、初めてのことだった。 続きを読む»

NEW!!

新年のご挨拶

ライトアップされたブランデンブルグ門

ライトアップされたブランデンブルグ門

皆さま、新年おめでとうございます。

新しい年、2015年はドイツにとって日本同様、戦後70年の節目の年に当たります。その一方、戦争の結果東西に分断されたドイツが、再統一することができてから25周年という喜ばしい記念の年でもあります。今年は10月3日の「ドイツ統一の日」を中心に、さまざまな記念行事が行われるでしょう。そんなドイツから私たちは、エネルギー問題のほか政治や社会の現状、あるいは文化的な出来事についても、日本の皆さまの目に届かない新しい情報をお伝えしていくつもりでおります。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

緑の魔女一同

ドイツのクリスマス

華やぐベルリンの街

華やぐベルリンの街

アドベント(イエス・キリストの降誕を待ち望むクリスマス前の約4週間、待降節)と呼ばれるクリスマスまでのこの時期、ドイツの街は、クリスマスイルミネーションで輝き、クリスマスマーケットが賑わいます。1年で一番暗いこの季節に街が華やぐのは良いのですが、やはり気になります……これっていったい、どのくらい電力がかかっているのでしょう?

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村上春樹さん、ヴェルト紙で語る

村上春樹さん作品が並ぶ棚  ベルリンの本屋さんで

村上春樹さん作品が並ぶ棚
 ベルリンの本屋さんで

毎年ノーベル文学賞候補として名前が挙がる村上春樹さんは、ドイツでも大人気作家の1人です。私の周りにも、『ノルウェーの森』や『1Q84』を読んだという人はけっこういます。今年の秋にも、ノーベル賞受賞こそなりませんでしたが、ドイツの日刊紙「ヴェルト(Die Welt)」による「ヴェルト文学賞」に選ばれて、ベルリンでの表彰式でスピーチを行ったことは、日本の各メディアが取り上げました。実はそれに先立って、同紙の日曜版(11月2日)で稀なインタビューが掲載されていました。 続きを読む»

恥の歴史を記憶に留める - 「国民哀悼の日」に考えさせられたこと

ドイツでは夏時間が終わる10月下旬になると、急に冬の足音が聞こえてくる。11月に入ると、日の暮が早くなり、お天気もどんよりとした曇りの日が多い。この月は死者に思いを馳せるときで、毎年のことながらベルリンの日刊紙「ターゲスシュピーゲル」では、死んだときにどうするか、墓地の特集などを組んでいる。そして11月第3週の日曜日は「国民哀悼の日(Volkstrauertag)」となっている。 続きを読む»