ベルリンで行われたおしどりマコさん講演会

おしどりマコさん(右)と相方のケンさん

おしどりマコさん(右)と相方のケンさん

おしどりマコさんは、夫のケンさんとコンビを組む芸人でありながら、福島原発事故や被災者の抱える問題について広く深く取材しているジャーナリストでもある。マコさんの活躍ぶりは私もネットでよく見ていて、その縦横無尽な活動と明快な文章には、かねてより敬意を覚えていた。そんなマコさんが福島の放射能汚染状況について報告する講演会がベルリンで行われるというので参加してきた。 続きを読む»

福島の被災者との出会いから生まれた詩と写真の展覧会

地下鉄U3のOskar-Helene-Heim駅前すぐに見える展覧会の看板

地下鉄U3のOskar-Helene-Heim駅前すぐに見える展覧会の看板

福島の被災者との出会いから生まれた詩と写真の展覧会「Out of Sight.」が、3月28日(金)までベルリン日独センターで行われている。詩を書いたのは、長くドイツで暮らし、日本語とドイツ語の両方で小説や詩を作っている作家・多和田葉子さん。写真を撮ったのは、フランスのマルセイユ生まれでロンドンとベルリンを拠点に活動する写真家デルフィーヌ・パロディ=ナガオカさんである。 続きを読む»

第64回ベルリン国際映画祭(2) - 山田洋次監督の反戦への想い

Yoji Yamada

記者会見での山田洋次監督

今年のベルリン映画祭のコンペ部門は、華やかな「グランド・ブダペスト・ホテル」で開幕し、山田洋次監督の「小さいおうち」で幕を閉じた。山田洋次監督はベルリン映画祭のいわば常連だが、今回の映画はこれまでの山田作品とはひと味違うとベルリンでは受け取られたようだ。この映画に出演した黒木華(はる)さんが銀熊賞の最優秀女優賞を受賞したが、ドイツの新聞批評のなかには「山田監督のおかげで受賞できたのだろう」と辛口のものもあった。山田監督は黒木華に「特別の演技はしなくていい」と注文を付けたとか、彼女の演技らしくない演技、彼女の持ち味と自然な立ち居振る舞いが審査員に評価されたのかもしれない。

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第64回ベルリン国際映画祭(1) - 子どもがテーマの映画が印象に残った年

銀熊賞を受賞した黒木華さん

2月6日から16日まで開かれた第64回ベルリン国際映画祭。今年は子どもを取り巻く環境をテーマにした映画が多く、子役の活躍も目立った。ベルリン映画祭では、グランプリである金熊賞が大方の批評家やジャーナリストの事前の予想に反する意外な映画に与えられることがしばしばあるが、今年もその例に漏れなかった。コンペティション部門の話題作を押さえて金熊賞に輝いたのは、中国の若いディアオ・イーナン監督のフィルム・ノワール(サスペンス映画)「白日焔火」(Black Coal,Thin Ice)で、人々を驚かせた。

 

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「日本は脱原発を成し遂げる - 取り戻した日本への希望」コッティング=ウール議員インタビュー

インタビューに応じるコッティング=ウール議員

インタビューに応じるコッティング=ウール議員

去年12月、福島事故後4度目の訪日を果たした緑の党の連邦議会議員コッティング=ウールさんは、1月13日、新政権が誕生した後の最初の議会が始まる前に、私たちのインタビューに応じた。議員会館内にある議員の事務所の壁一面に、日本から持ち帰った「ようこそコッティング=ウール議員」と日本語で書かれた横断幕がかかっている。多忙なスケジュールにもかかわらず、同議員は私たちの質問に丁寧に答えてくれた。

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