Author Archives: ツェルディック 野尻紘子

確かに下がる原発依存率

連邦統計局の2013年7月2日発表によると、ドイツでは昨年も再生可能電力の生産量が増え、電力総生産量の22.1%を占めた。これはドイツ政府が脱原発を決定した前の年、つまり福島の原発事故が起きる1年前に当たる2010年の16.4%に比べて5.7%増になる。これに並行して原子力発電の割合は昨年16.1%となり、2010年比で6.3%減っている。昨年のドイツの電力総生産量は617.6 TWhだった。 続きを読む»

「慰安婦」発言で浮かび上がる日独の次元の差 2)

6月10日、ドイツ連邦法務省のナチ時代からのつながりに関する研究調査の結果が、一冊の本として、ひときわ改まった雰囲気の連邦広報局で発表された。(詳しくは「『慰安婦』発言で浮かび上がる日独の次元の差」参照。)この調査に携わった、同省とは関係のない外部の歴史学者や法律学者からなる特別委員会のメンバー、調査の依頼主である連邦法務相に加えて、著名なホロコースト犠牲者である90歳のジャーナリスト、ラルフ・ジョルダーノ氏が出席し、長い、力強い講演をしたからだ。同氏は「現在連邦法務省が同省の過去の過ちを明らかにしようとしている努力は、自分が生涯テーマとして努めてきたこと、自分からのドイツ国民への政治的遺言に重なる」と述べた。こんなシーンが日本で考えられるだろうか。 続きを読む»

「慰安婦」発言で浮かび上がる日独の次元の差

第二次世界大戦下の日本軍の侵略を否定しようとする安倍晋三首相の一連の言行と、戦争被害者である「慰安婦」の名誉を損なう橋下徹大阪市長の発言が、日本のメディアで報道されていた同じ時期に、ドイツの新聞では、例えば、以下のような見出しの報道があった。① 5月19日「元強制収容所監視人告訴」、② 5月18日「8つの特別委員会が(ナチ政権下の)ドイツ省庁と諜報機関 の『茶色の遺産』を研究調査」、③ 5月30日「独政府、ホロコースト犠牲者に7億7000万ユーロ(約1001億円)援助」。

韓国や中国に対し「日本政府は既にお詫びを言っている。何度お詫びをすれば、これらの国は満足するのか」というような苛立った声を日本で聞くことがある。ドイツとの戦後処理の違いを指摘され「日本の戦後処理は済んでいる」と答える声も聞く。なぜ日本はいつまでも近隣諸国に批判されるのだろうか。日本とドイツの違いはどこにあるのだろうか。 続きを読む»

迫る枯渇、シェールオイル・シェールガスは単なる一時凌ぎ

石油や天然ガス、石炭、ウランの枯渇は、現在世間で話されている以上に早くやって来る。米国などで増加しているシェールオイルやシェールガスの生産量は、既にここ数年内でピークに到達し、以後は下降するのみである。こんなレポートをドイツのエナジー・ウォッチ・グループ(EWG)がこのほどベルリンで発表した。EWGは学者と議員からなる国際的なネットワークで、政界や経済界からの影響は一切受けておらず、エネルギー問題に関する分析やレポート作成を科学者に委託していることだ。

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電気料金安定への提案は選挙政策?

アルトマイヤー独環境相が再生可能エネルギー優先法(EEG)の一部修正を提案し、ドイツで大きな話題になっている。この法律はドイツの再生可能電力の固定価格買取り(FIT)の基礎で、一般的に、最近の電気料金高騰の主因とされるため、批判が収まらないからだ。しかしこの提案は、単なる選挙対策だという声もある。

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