ドイツ・緑の党連邦議会議員が見た福島
緑の党の連邦議会議員で、脱原発の分野で活躍しているシルヴィア・コッティング=ウール氏は、ドイツ連邦議会の議員としては初めて福島第一原子力発電所を訪れた。同議員の旅行記を読むと、日本の状況が浮かんでくる。
緑の党の連邦議会議員で、脱原発の分野で活躍しているシルヴィア・コッティング=ウール氏は、ドイツ連邦議会の議員としては初めて福島第一原子力発電所を訪れた。同議員の旅行記を読むと、日本の状況が浮かんでくる。
日本の大手メディアには、「ドイツのエネルギー転換は進まない」、「電気代の値上げで電気代を払えなくなる人がいる」などなど、ドイツの脱原発に対する批判的な報道が見受けられる。たしかに、ドイツの新聞でも電気代の高騰についてはよくニュースになっている。しかし、その根底には電気がぜいたく品にならないための議論を喚起しようとする意図がある。決して原発回帰を推進するための報道ではない。 続きを読む»
この2週間、時間が許す限りネットで日本の状況を追っていた。特定秘密保護法案がどうなるのか、もしこの法案が成立したらこれから日本はどうなるのかという不安に駆られてのことだった。ツィッター上では、まるで実況中継を見ているかと思うほど、国会と国会周辺の様子が伝わってきた。そして、同法案が衆議院で強行採決されたのを受けて、ドイツのメディアが反応した。
前回は帰国中に感じた怒りについて書いたが、久しぶりの帰国で楽しいこともたくさんあった。旧知の人たち、かつての同僚たちに加えて、ベルリンの友人たちと京都で会えたことは大きな喜びだった。長い時間をかけて話し合った知人や友人たちは、口をそろえて原発の危機的状況について、彼らの考えを話してくれた。これだけ現状に危機感を持っている人たちがいることを心強く感じた。さらにもう一つ、ハッピーな気持ちにさせてくれることがあった。 続きを読む»
今年4月の帰国から半年後、再び帰国した。前回、日本は「不思議の国」と感じたが、この半年間で、この「不思議の国」がさらに不思議さを増したことを実感した。3週間の滞在中、日々の生活を通していろんな感情が湧いた。感情のジェットコースターに振り回されたような気がするが、今回の帰国で改めて感じたことを2回に分けて整理してみたい。
ジャック・ロゲ国際オリンピック委員会(IOC)会長が「TOKYO」と書いた紙を見せ、「トーキョー」と読み上げた瞬間、喜びに炸裂する日本の関係者と打ちひしがれるトルコの関係者の姿がテレビの画面に映し出された。「日本人がこんなに喜びの感情を表すことは珍しい」というコメントとともに、未明の東京で喜びの声を上げて踊る若者たちの姿がドイツのテレビにも映し出された。ネットで日本のニュースを見ると、2020年のオリンピック開催がもたらす希望や経済効果といった言葉が躍っている。しかし、ドイツのメディアに通奏低音として流れるのが、安倍首相が福島は安全だと言い切ったことへの不信感である。 続きを読む»