Author Archives: あきこ

ドイツ風電気料金高騰への対処

最初の脱原発を決定したのが2002年、福島の事故を受けて改めて脱原発を決めてから1年半近くが過ぎようとしているドイツ。一瞬、脱原発を決めたけれども、「舌の根も乾かないうち」に脱・脱原発にぐらついている日本。そしてドイツを取り巻くヨーロッパ諸国では、脱原発で足並みがそろっているわけではない。福島以後、方針は決まったものの具体的な対策を模索しているドイツではあるが、脱原発と電気代の高騰をめぐる議論はずっとメディアを賑わしている。とくにここ数日、議論は熱を帯びているが、それは再生可能エネルギーの賦課金が現在の1キロワット時3.6ユーロセントから5.3ユーロセントに値上げされ(最終的に正式な数字は10月15日に発表される)、平均的世帯にとって年間50ユーロから60ユーロの電気料金の値上げがニュースになったからである。 続きを読む»

月曜日から金曜日へ - 長い闘い

7月29日の日曜日の午後、「アンティ・アトム・ベルリン(Anti Atom Berlin)」が、日本での国会包囲行動に連帯するデモを行うことになっていた。ところが、ベルリンは朝からバケツをひっくり返したような雨。この豪雨にいささか気勢をそがれたが、雨天決行ということなので、降りしきる雨を恨めしく思っていた。しかし、ベルリンはころころと天気が変わるので、午後には何とかなるかと思っていたら、やはり午前中に雨はやみ、気温もデモにはちょうど良い感じになってきた。

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配電網を市民の手に - 「ベルリン市民エネルギー」

4月上旬に「電気を市民の手に - 動き出した『ベルリーナー・エネルギーティッシュ』」という記事を書いたところ、4月下旬にドイツの新聞、ラジオ(因みにドイツのラジオ放送は日本と比べてはるかに重要な情報源である)などが「ベルリン市民エネルギー(BEB, BürgerEnergieBerlin)」という名称を持つエネルギー協同組合の活動を取り上げた。それらの情報によると、2014年12月31日でベルリン市と大手エネルギー供給会社ヴァッテンファル社との配電網に関する営業認可契約が切れるのに伴い、配電網を運営する組織として「ベルリン市民エネルギー」が名乗りを上げたという。配電網の営業権を買い取り、そこから生まれる利益を、出資した市民に還元することを目的としている。 続きを読む»

2度目の脱原発 - ドイツの電力会社の決断

6月18日付の南ドイツ新聞の経済面に「2度目の脱原発」という見出しが書かれていた。2度目というのはどういうことかと疑問に思いながら読むと、ドイツの大手エネルギー企業であるRWE社が、ドイツ国内に次いで、外国での原発事業から撤退するという内容だった。そして6月18日付のオンライン版シュピーゲルも「方針転換」という見出しで、RWE社が原発事業から撤退することを報じていた。これらの報道の内容と、これに対する反原発運動団体の反応を紹介しよう。

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脱原発とドイツのエネルギー協同組合

ケルンにあるクラウス・ノヴィ研究所(Klaus Novy Institut)が、ドイツ連邦環境省の委託を受けて、協同組合とエネルギー経済に関する研究調査を行った。エネルギー協同組合は歴史的に見れば、まだ送電網が完備されていなかった時代に孤立していた地方の電力供給を確保するために組織されたが、やがて市の運営する電力会社へと発展していった。しかし、公営の電力会社が民営化へと追いやられた時代を経て、電力の自由化とともに再びエネルギー協同組合が復活してきた。さらに再生可能エネルギー優先法(EEG)、脱原発への転換がエネルギー協同組合の設立に追い風となった。 続きを読む»