Author Archives: ツェルディック 野尻紘子

エネルギー転換の他に道なし

「エネルギー転換を、遂行するかしないかは問題外」、「エネルギー転換以外にオルタナティヴはない」というドイツ電力大手4社のうちの2番目、RWE社のペーター・テリウム社長の言葉を読んでびっくりした。原発を運営し、褐炭火力発電所もドイツ一多く所有している同社は、ドイツ政府の脱原発決定、長期的な二酸化炭素削減推進で最も大きな打撃を受けている。その同社の社長が書いている文章だ。他の電力会社も以前の方針から方向転換している。この国のエネルギー政策は、もう逆戻りすることはないだろうという印象が強まる。

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エルマウ (G7) の反響 2) 「世界規模のエネルギー転換は始まっている」

「世界規模のエネルギー転換は始まっている」、「世界のエネルギー政策は、もう帰還不能点の近くまで来ている」。これが6月はじめにドイツで行われた先進7カ国首脳会議(G7サミット)の「地球温暖化を抑制するために、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を2050年までに2010年比で40〜70%削減し、2100年までには脱化石燃料を目指す」という宣言に対する、ドイツの専門家たちやメディアの反応だ。 続きを読む»

エルマウ(G7)の反響 1)

6月7日と8日にドイツ・バイエルン州のエルマウ城で行われた先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、G7参加国が、「地球温暖化を抑制するために、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を2050年までに2010年比で40〜70%削減し、2100年までには脱化石燃料を目指す」と宣言した。この宣言に対するドイツの反響は大きく、「やってくれた」と喜ぶ環境保護団体から、脱炭素の影響を心配する経済界など色々だ。 続きを読む»

ノルウェーの国家基金、石炭産業から撤退

Boa_Neurath01ドイツのメディアが伝えるところによると、ノルウェー議会は6月5日、世界最大級といわれる同国の国家基金を、今後は気候に悪影響を与える石炭産業に投資しないと決定した。イェンセン財務大臣は、投資ボイコットの対象となる企業を50〜75社としている。石炭採鉱企業だけではなく、石炭火力発電企業も含まれることになる。 続きを読む»

ドイツのメルケル首相、安倍首相には思いも付かない発言

この5月8日、ドイツは第二次世界大戦の敗戦70周年記念日を迎えた。70年前の敗戦直前には、当時ドイツにあったいくつもの強制収容所が連合軍により解放されており、その解放を記念する式典も今回各地で行われた。そのある席上でのメルケル首相の発言が、私の心を打った。 続きを読む»

賛否分かれる褐炭負担金

4月最後の土曜日、ドイツで褐炭の将来に関わる二つの相反する大きなデモがあった。連邦経済・エネルギー省が先ごろ、ドイツが排出する二酸化炭素の量を減らすために、「古い褐炭火力発電装置で発電された電力に気候保護のための分担金を課す」という方針を発表したからだ。その方針に反対する労働者や労働組合のデモと、その方針に賛同する市民や環境保護団体のデモだった。 続きを読む»